5者のコラム 「易者」Vol.25

衝突の避け方・否定の仕方

 織田佳臨氏は「占い師が教える心をつかむ会話術」(グラフ社)でこう述べます。

1 衝突の避け方:立場的にはこちらが折れなければならないのに折れるわけにはいかないとき、言いにくくても反論しなければならないとき、耳の痛い話を伝えなければならないときなどに便利な「ほんの少し様子を見ていただけませんか?」という言葉があります。時間の先延ばしをしていくことで自ずと解決していくことは多々あります。衝突が避けられないと思ったときには先送りにすることで関係を悪化させずに次の接点をもてることになります。
2 否定の仕方:お客様は既に心の中で自分の答えを決めていて、占い師のひと言で背中を押してほしいという思いで来られることが多いのです。それが判っていながら、どうしてもそのひと押しが出来ないとき占い師は本当に頭を抱えながら言葉を選びます。「可能性がゼロではありません。でもかなり難しい状態にいらっしゃることはまず自覚してくださいね。」何か否定しなければならないとき、否定する事柄だけを伝えるのではなく、プラスアルファのひと言を付け加えると良いですね。

 弁護士にとって上記方法論は極めて示唆に富んでいます。
1 正面衝突を避けるために時間の先延ばしをすることはとても賢いやり方です。人間には自然治癒力が備わっていますが、この力を展開させるためには若干の時間が必要だからです。
2 プラスアルファを活用すること(例えば裁判官を想定して第三者的目線で語ること・否定の根拠たる条文や判例を示すこと)は有用です。感情的な対立を生むことなく話を否定できます。

医者

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