5者のコラム 「芸者」Vol.62

顔写真を公開すること

私は以前「弁護士も見た目が9割という時代が来ないように願っている」と書きました。しかし市民にとって「見た目」は大きい意味を持っているようです。河野真樹氏はこう述べます。

市民が弁護士探し・選びをするときに弁護士の顔写真が判断材料になっていないかと言われれば、いないというのはいささか違うと思います。実はここは弁護士が考えている以上に依頼者市民が気にするところなのです。以前、私が在籍した新聞社では弁護士の写真と経歴のついた出版物を長く出版しており私もその編集に1980年代からずっと関与していました。その間、この書籍に関連して度々弁護士を探している市民からの声を聞くことがありました。そのなかで昔から現在まで非常に多い問い合わせは、この弁護士の顔写真に関することでした。「なぜ○○弁護士は顔を出していないのですか。」この書籍には顔写真を公開している部と非公開の部がありました。写真を含め、この本に出でいるすべての情報は弁護士本人から提供してもらったもので、もちろん写真の掲載の有無についても、ご本人の希望によるものです。もともと「写真を掲載したくない」という弁護士もいるということで非公開の部を設けざるを得なかったのですが、読者は載っている人と載っていない人がいることが気になるのです。

弁護士の力量は「言葉の内容」に表象されるものであって「見た目」に表象されるものではありません。しかしながら「見た目」から受ける弁護士の印象が市民が弁護士を選ぶ重要な判断要素になっているのならば、可能な限り弁護士が自分の顔写真を公開することも1つの「世の中の流れ」だろうと考えています。このウェブサイトで自分の写真を公開しているのはそのためです。

役者

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