5者のコラム 「学者」Vol.53

公認会計士合格者の難儀

昨年の公認会計士試験合格者のうち、過去最悪の約4割が就職できず、資格が得られない「会計士浪人」になっていることが金融庁の調査で分かった。金融庁は一般企業に採用を呼びかけているが、合格者の就職環境は年々悪化している。調査は昨年12月~今年1月、試験合格後に通う実務補習所の入所者1918人に実施。1513人(有効回答78.9%)から回答を得た。調査によると就職内定した合格者は57.4%で過去最悪だった前年調査の71.7%を14.3ポイント下回った。会計士になるには試験合格後、監査法人や企業などで会計監査の実務を2年以上積まなければならないが、昨年の合格者約2千人のうち800~900人程度が実務を積めず資格取得が見込めない事態になっている。金融庁は06年「一般企業など幅広い分野で活躍が期待される」として、合格者数をそれまでの1千人台から2千~4千人台に増やしたが監査法人以外への就職は依然として進んでいない。監査法人の内定者が全体の89.7%だったのに対し一般企業と役所は計6.8%。前年の2.1%より増えたものの「大半の企業は欲しがらないし合格者も行きたがらない」(金融庁幹部)という状況だ。一般企業では資格取得の要件である会計実務を積める保証がないことが合格者が敬遠する最大の理由という。金融庁はこうした問題を解決するため公認会計士試験の合格者をこれまでの2千人程度から今年は1500人程度まで減らす方針を示している。(朝日新聞)
 かつての公認会計士試験は最難関文系国家資格のひとつでした。しかしながら金融庁が06年に合格者数を一気に2倍以上に増やした結果、現場に混乱が生じました。合格しても4割が資格を得られない馬鹿な試験に有意の若者がエネルギーを費やせるはずはありません。こんな単純な問題に今頃気づいて政府は合格者を減らすというのですが、安易な制度変更に右往左往させられた挙げ句に人生を棒に振ってしまった若者の人生は一体どうなるのでしょうか?

易者

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