人は何故結婚するのか？

一昔前まで結婚しない人は変わり者扱いされていました。シングルの人は世間から「何故結婚しないの」と問われていたものです。が最近は風向きが変わりました。未婚率が増えています。そのような中「何故結婚するの」と問う人も増えてきました。業界の用語を使えば「立証責任の転換」が生じているわけです。人は何故に結婚するのでしょう？問題が無い平穏な生活を送るためでしょうか？そんな風に考えるなら多くの若者が結婚生活に幻滅するかもしれません。何故なら現実の結婚生活には問題や試練が沢山生じるからであります。夢のような生活には決してなりません。この人となら夢のような生活が送れると思って結婚をイメージしたら駄目です。決してそうはならないのです。たぶん結婚とは人間が生きていく上で引き受けざるを得ない問題点を共に解決するパートナーを見いだしたこと・そのことを社会的に宣言するところに意味があります。人生の問題を共同して担えると考えたときに２人の男女は結婚を決意します。そして、かような決意をした２人に対し社会は祝福を与えるのです。本日も皆様は決意をした２人を祝福するためにこの場にご列席頂いているものと存じます。さて人間社会で「人と人の絆を形成する最も重要な場面」は何でしょうか？私は少し社会学を勉強したのですが、そのときに得た答えは「一緒にメシを食べる」ということです。一緒にメシを食べることこそ全ての人類社会で見受けられる人と人が絆を形成するための最も大切な方法です。もう少ししたら、このホテル自慢の料理がたくさん出てくることでしょう。皆様、美味しく頂きましょう。それこそ人生の問題を共に担う決意を表明した２人に対する我々の何よりの祝福です。そしてかような時間を共有することによって出席者である我々も２人から幸福を分け与えられるのだと私は思います。お２人の末永き幸福を祈念して私の挨拶とさせて頂きます。ご静聴有り難うございました。