5者のコラム 「学者」Vol.94

箴言のようなもの(その2)

1 浮かれているときに冷や水を浴びせかけてくる存在は短期的には嫌なものだが長期的には貴重なものであるなどと考えながら冷水峠を越えた筑豊行きであった。

2 後輩に説教。飲み会の席では長幼の序をわきまえる。法廷では100%対等の立場で臨む。先輩の自慢話は信じない(ホラが相当に含まれている)。失敗談を聞き出すように努める(良い内容が含まれていることが多い)。

3 羽生名人はどこかで「情報メタボにならないため、ときどき情報断食をしたほうが良い」と書いておられる。尊いお言葉である。

4 サクソフォンに人格があったら「敵か?味方か?」と問い詰める戦闘的言説に対しこう呟くであろう。 「お前は金管楽器なのか?木管楽器なのか?」そんな問い方はやめてくれ。僕の父は木管と金管の良さを併せ持った楽器として僕を作ったんだ。たしかに僕は金属製だから金管に見える。でも構造的には木管なんだ。良い音が出るんだから、金管でも木管でも、どっちだって良いじゃないか。

5 夏目漱石は弟子に向け手紙を書いた。「夫婦は親しきを以って原則とし親しかざるを持って常態となす。君の夫婦が親しければ原則にかなう。親しからざれば常態に合っす。いずれにしても外聞は悪いことにあらず。」 知慮に満ちた言葉。

医者

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