5者のコラム 「役者」Vol.134

若い世代の感覚を取り入れて舞台に立ち続ける

羽生さんが永世七冠を達成したときのFB友との意見交換。
A 理恵さんは貴重な羽生家事情をツイートしてくださるのですが、それによると羽生さんは藤井四段との対戦を喜んでいたようです。若い人しか認識していない未来の将棋の片鱗を掴み取ろうとしていたんでしょう。それを取り入れようとして開花したのが10月以降だった。理恵さんは「藤井四段との対戦が永世七冠の契機になった」と喜んでおられますね。
B 若手との対局を嫌がってるようではあっという間に勝てなくなりますからね。もちろん羽生さんも「自分が負ける」とまでは思っていなかったでしょうが。
A 故米長さんが同じ年齢の頃に苦しんでおられました。これを打開するために米長さんは棋士になって2年くらいの羽生さんを「師匠」と呼び新しい感覚を吸収していきました。米長さんが最年長名人になられたのは(プライドを捨てて)若い世代の感覚を取り入れることを実行されたからです。羽生さんは当時の米長さんを現在の自分に重ね合わせておられるのだと思います。10年後に「普通の手」になっている・そんな新感覚の差し手を模索されているんじゃないでしょうか。
C この20年は変な手だらけでしたからね。後手番の初手が3二飛とか。
A 夏の王位戦における菅井さんは変な将棋でしたね。なんじゃこりゃ、という序盤だったのですが、気が付くと菅井側有利になっていた。この時点の羽生さんはまだ打撃フォーム改造期間中で実践(実戦)に間に合っていなかったんでしょうね。
 「知的な舞台」に立ち続けていくためには現状に甘んじることなく「自分よりも若い世代の感覚を取り入れること」を怠ってはならない。日々これ精進ですね。

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