5者のコラム 「学者」Vol.88

小コミュニティへの気遣いと国際的放言

「HUFFPOSTSOCIETY」に以下の記述があります。

一方で10代や20代の若者は各種SNSによって友人や知り合いとつながっています。彼等や彼女等は地元の知り合いとも学生時代の友人とも職場の同僚ともSNSを通してつながり続けています。(略)少数の親友と深い友人関係を築いてきた世代には理解しにくいかもしれませんが、SNSを通してたくさんの人と薄く広く友人関係を築いている世代にとってインターネット上の世界と現実の世界は1つのものなのです。
(略)普段はお互いに空気を読みあい・気を使いあいます。波風が立つようなことはできるだけ避け少々のことはうやむやにして済ませてしまいます。そうやって溜め込んだ鬱憤は「批判されている人」を見つけた時にまとめて吐き出されます。特に直接に接する人に気をつかいすぎている反動で、匿名になったときには別人のように汚い言葉を投げつけます。同時に、目に見える範囲の小さなコミュニティーの中で空気を読みすぎている反動で、想像力の枠を超えるほど大きなコミュニティーでは全く空気を読もうとしません(たとえば彼等や彼女等は学校や職場といった小さなコミュニティーの中では必要以上に気を遣いあいますが、国と国の外交といった大きな話になると国際社会の空気を読もうとはしません)。

小さなコミュニティーには異常に気を遣うのに国と国との外交といった大きな話になると放言をして全く意に介さないという人たちがネット上で最近目立ちます。このバランス感覚のなさに私は唖然とします。少なくとも実務法曹はバランス感覚を属性とする職業です。バランス感覚のない人には法律家になって欲しくありません。国家や社会との関係といった大きな話に関しても繊細な感覚を持って欲しいし、小さなコミュニティーでも自分の意見を堂々と述べて欲しいと思っています。