5者のコラム 「医者」Vol.125

付き合いにくい依頼者のタイプ

ある方のネット上の記載が印象的だったので引用。。

メンタル病院の先生に「付き合いづらい人ってどんな人?」って聞いたら「人の気持ちを判ろう理解しようと一生懸命になる人です」って言われた。なんでそれがダメなのって聞いたら「他人の気持ちなんて解らなくて当たり前なんです・それを理解できるという妄想は本当に厄介です」って言ってた。

弁護士にとって付き合いにくい依頼者のタイプに「真実にこだわり過ぎる方」がいます。真実は何か?突き詰めたいと一生懸命になる人です。何故それがダメなのかというと、民事紛争は(法律家にとっては)他人の争いを何も知らない自分が解決せよと言われているのだから、当事者が「これでいい」って言ってくれたらそれで良いのです。裁判官と違い代理人である弁護士は後で「本当は嫌だった」と言われるのが嫌なので和解に際し依頼者の真意をくみ取ることに気を遣います。が、それは委任関係を通し善管注意義務を負っている弁護士の職務上の責務にもとづくものです。それが「真実」に合致しているか否かが重視されている訳ではありません。民事紛争における「真実」は意味内容があらかじめ定まっているような自明的概念ではありません。民事紛争に於ける「真実」なんて他人には判りません。それが当たり前です。それを「解明したい・解明できる・解明すべき」という思い込みは厄介です。民事紛争解決は当事者間の合意を基本とする相対的・暫定的な性質のものです。これまで私が解決してきた民事紛争は示談・調停・(訴訟上の)和解など当事者間の合意によるものが大半です。それらは「真実に合致しているか否か」を基準に成立したというより「双方の互譲」によって成立しました。「真実とは何かを突き詰めて考えることを断念し放棄した」ところに合意成立の鍵があったとさえ評価できるものばかりです。

学者

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