5者のコラム 「5者」Vol.28

事務職員の職場環境

修習生の頃、法律事務所の事務員さんとよく飲み会をしました。法律事務所の悪口をよく聞きました。事務所を運営する立場になったら悪口は言われないようにしたいと強く思いました。
 福岡法律関連労働組合は弁護士に対して毎年要望書を提出しています。

1 一人で生活できる賃金を保障してください。
2 賃上げ(1万円以上)を実施してください。
3 一時金については年間5・5ヶ月分以上を保障してください。
4 時間外労働については必ず時間外手当を支給してください。
5 年次有給休暇は少なくとも法定日数は取得できるようにしてください。
6 育児休暇・介護休暇・子の看護休暇・生理休暇を保障してください。
7 一日の労働時間は8時間以内(昼休み1時間を含む)にしてください。
8 恒常的な残業を無くしてください。
9 昼休みは1時間、完全かつ自由に使えるようにしてください。
10 完全週休2日にしてください。11社会保険・労働保険に加入してください。

労働法は法律事務所にも適用されます。偽善性を批判されないよう弁護士も要望事項を酌み取っていかなければなりません。ただ事務所により経済状態は違います。不安定な受任状況の中で安易に拡大路線を選択できる訳ではありません。多くの弁護士は規範と現実の狭間で悩んでいます。私も出来る限り事務職員が働きやすい職場であるように気を遣っているつもりです。

学者

前の記事

訴訟の方針あれこれ
医者

次の記事

SOAP方式の意義