5者のコラム 「芸者」Vol.23

プライベートな日常生活と職業活動の区別

 読売新聞の「発言小町」08年10月8日に以下のトピックが立てられました。 

私は40代の自営業(男)。妻は弁護士だが3人の子育中なので休職中。妻の近所に対する応対の悪さに困っている。父が町内の飲み会で妻の職業を言ってから、近所からの法律相談が増えた。早朝深夜を問わず電話がかかってきたり6時前に玄関のチャイムが鳴ったりと子育て中の妻には耐えがたいとは思っていたが、妻はもともと性格がきつく、はっきりというタイプなのでトラブルにならないかと家族で冷や冷やしている。妻は「私は今仕事を離れているので他の弁護士に頼んでください。命に関わる問題でなければこんな時間に来ないでください。」とはっきり言う。組合長からは「弁護士がそんなに偉いのか」と冷たい言葉が来る。私がもう少しまともな口を聞けと言うと「あなたも弁護士になったら解決するではありませんか」と口答えする。最近では妻にこの家を出て行って欲しいと思うようになった。

 これに対する回答は概ね「妻のほうが正しい」というものでした。いくつか紹介。

①奥さんは職業で弁護士をしているわけで、ご近所のボランティアではないでしょう?ましてや子育てで休職中なのに非常識な時間にタダで相談しようと来られては言葉がきつくなるのは当たり前でしょう。②貴方は早朝深夜の電話や早朝訪問などから子育て中の奥様を守らなかったのですか?あなたが緩衝材としてもっと働く必要がある。奥さんは完全に孤立状態ですね。③はっきり断れる奥様が羨ましいです。奥様が弁護士だからこそ、無責任な発言や相談はできないのだと思います。

弁護士特有の難儀が理解されているのは嬉しい。相談に回答をすることは完全に職業的行動です。弁護士の相談は世間の愚痴聞きとは違います。ご理解願います。