5者のコラム 「芸者」Vol.108

お互いに気持ちの良い関係

内藤あいさ氏は「デキる弁護士・ダメな弁護士」(講談社+α新書)でこう述べます。

私の経験では問題のある弁護士ほど人権や社会正義という麗句を並べる傾向がある。「私はお金のために仕事をしているのではありません」と言いながら高額の報酬を請求してくる。

私は人権や社会正義を全面に出す弁護士には問題があるなど全く思いません。ただ、私は普通の田舎弁護士なので<過剰な美辞麗句>を使うのも好きではありません。
 内藤氏は目の前にいる弁護士の「見極め方」(判断基準)としてこう述べます。
   1 きちんとお金の話ができるかどうか(出来ない人は避ける)。
   2 金遣いが派手ではないか(豪遊している弁護士への依頼は避ける)。 
   3 専門領域が何かを弁護士本人に聞いてみる。
   4 依頼する前に1時間程度の法律相談をしてみる。
   5 弁護士といつでも連絡が取れるか(取りにくい人は避ける)。
   6 委任契約を解除した場合に書類を返却してもらえるか。
   7 定期的に自分の案件がどうなっているか聞いてみる。
   8 他の弁護士には頼んでいないと伝える(弁護士倫理を考慮)。
   9 良い弁護士だと思ったら周りの人にも紹介してあげる。  
 受任前に相談を入れることは不可欠。受任するか否かの選択権は弁護士にもあります。受任したら次の事項を意識します。判りやすい費用提示をする・連絡が取りやすくする・解任された場合には全ての書類を返還する・定期報告を欠かさない・ダブルブッキングをしない・知人に口コミで紹介して頂けるよう努力する。これらが互いに気持ちの良い関係を構築する秘訣でしょうね。

5者

次の記事

臨床法学の立ち位置