久留米版徒然草 Vol.206

本歌取りという文化

「寅に翼」を観ていた時は気づかなかった。主題歌(@米津玄師)2番は種田山頭火へのオマージュ(本歌取り)なんですね。「山頭火句集」(ちくま文庫)18頁を読んではたと気づきました。

2番の『しぐるるやしぐるる町へ歩み入る』には俳人の種田山頭火の作品へのオマージュが込められている。「しぐるるやしぐるる山へ歩み入る」という俳句は「冷たい雨が降り続く中でも前進し続ける」という意味で、まさに寅子の姿勢そのものを表現しているだろう。
 続く『人が宣う地獄の先にこそ わたしは春を見る』という歌詞からは、寅子が幾度となく直面してきた(母はる曰く)「地獄」と呼ばれる困難を乗り越え、その先にある希望を見据える強さが感じられる。(@すなくじら氏のコメント)

以下、私の壁上におけるFB友との議論です。
1 今、アニメやドラマの主題歌を任されるって大変なのです。
2 ↑米津さんは自分を「言葉フェチ」とか言ってましたけど、ほんと凄いと思います。
3 隅田川を歌った「花」は『源氏物語』の中の1首を本歌取りしたものですね。「春のうららの隅田川のぼりくだりの船人が櫂のしづくも花と散るながめを何にたとうべき」の歌詞は源氏物語『胡蝶』巻で詠まれた和歌「春の日のうららにさして行く船は棹のしづくも花ぞちりける」に依ると解説されています(@Wikipedia)。プロの作詞家ってホント凄いなあと思います。
4 ↑「本歌取り」って文化はホントすごいですね。

前の記事

社会性の哲学

次の記事

傷と傷によって