5者のコラム 「易者」Vol.83

複雑な理論を学ぶ意思と意欲

高橋桐矢「占い師入門」(霊鳥社)の記述。

占いには古い古い歴史があります。はるか昔、数千年の歴史を持つ占いもあります。たくさんの占い師によって伝えられ、研究され、より深められてゆく中で、できるだけ「占い師の思いつきや想像」が入らないで直感が最大限に発揮されるように形が整えられてきたのです。たとえばタロット占いはカードというアイテムを使い、カードの象徴というフィルターを通すことで占い師が持つ直感のパフォーマンスを最大にすると同時に私的な妄想をカットするようにできているのです。占星術や四柱推命などのシステマティックに理論づけられた占いはさらに占い師の個人的な想像力に左右されにくくなっています。複雑な理論をマスターするには時間と手間もかかるので、本当に占いを極めようという強い意志と意欲を持っていない人は脱落していくことになります。結果的に本物の占い師が残るわけです。

法律は判断が個人の思いつきや想像によって恣意に流されないように思考過程を統制する目的で発展しました。実体法と訴訟法が分離し各々に特有の真実発見と正義実現の理想が追求されました。理性のパフォーマンスを最大にすると同時に私的な妄想をカットするようにできています。理論づけられた法律体系は法曹の個人的想像力に左右されにくくなっています。複雑な理論をマスターするには時間と手間もかかるので法律を極めようという強い意思と意欲を持たない人は脱落していきます。結果的に本物の法律家が残るわけです。学ぶ強い意思と意欲を持つ人のために司法修習は存在します。修習生にはそれに相応しい処遇が為されて良いはずです。法曹界に人材が集まらなくなり個人の思いつきによって恣意的判断を重ねるニセ法律家が増えていけば社会は崩壊します。

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