5者のコラム 「5者」Vol.16

法曹の質の評価基準

日弁連法務研究財団「法と実務6」(商事法務)は法曹の質をこう整理します。
1 人格識見に関する要素
イ柔軟な思考力・優れた判断力 ロ人権感覚 ハ高い倫理感 ニ自己研鑽の意欲
2 法実務に関する要素
イ法的基本知識 ロ事実に要件・効果をあてはめて法的判断を下す能力
ハ依頼者に対する聞き取り能力 ニ事実や証拠を探し出す能力
ホ 相手方との交渉能力(和解交渉を含む)
3 法創造・立法に関する要素
イ 問題解決策を構想し、法的ルール化する能力
ロ 最新の法令・判例・学説を学び続ける能力
ハ 問題発見能力 ニ社会問題への嗅覚 
ホ 法制度を批判的に分析する能力
4 独立自営のプロフェッションに関する要素
イ 事務所運営能力 ロ 依頼人・顧客獲得能力
5 公益活動の意欲と能力
イ 弁護士会活動の意欲と能力 ロ プロボノ活動への意欲と能力
 本コラムの問題意識では上記整理は「医者」「学者」に偏っています。確かに「役者」「易者」「芸者」の側面は公的書物には載せにくいでしょう。しかし依頼者の心の琴線に触れる「良い弁護士」たる部分は不合理な要素に負うところが大きいのです。「良い弁護士とは何か」という議論が為される事の意味はよく判ります。が、その前に「何を持って『良い』と評価するのか」というメタレベルの議論も必要ではないかと私は感じます。