5者のコラム 「医者」Vol.131

医者に頼らず生きるための習慣

五木寛之氏は養生の基本を3つの「休め」とされています(五木寛之「なるだけ医者に頼らず生きるために私が実践している100の習慣」中経文庫29頁以下)。

1 「気休め」
  私たちはストレスのなかに生きているわけですから、自分がホッとするような時間、くつろげる時間をもつことが大事です。「病は気から」というように「気」を「休める」ことは大事です。私の養生生活の基本は「全ての健康法は気休め」という考えから出発しています。
2 「骨休め」
  骨は体や筋肉を支えているだけではなく免疫細胞のような大事なものも生産しています。無理な負担をかけず骨を休ませることが大事です。私は骨休めを「ふだんは縦になっている骨を横になって休ませること」だと考えています。
3 「箸休め」
  人は1日1食で十分と提唱している本がベストセラーになりました。1週間の内、1日くらい食べない日があっても良い。常に食べているのは体に良くないことです。

これらの習慣は病気と戦わない東洋的見地にもとづく養生です。ただし人間は怪我をしますし急性疾患もあります。怪我や病気と「戦う」ための西洋医学的見識も必要です。両者の複眼的な思考が不可欠です。法律実務は社会的に戦う見地を根底に有しています。たしかに怪我や急性疾患に対しては戦いを挑まなければなりませんが、長い目で見た場合「何が依頼者の幸福なのか?」は要件事実では決められません。法律に頼らず社会生活を営む見方も必要です。

5者

前の記事

複眼的な社会考察の意義
学者

次の記事

理科系的な勉強の必要性