5者のコラム 「5者」Vol.141

プロとアマチュアの違い

編集に協力している郷土史雑誌「あげな・どげな」の6周年感謝祭で行ったスピーチ。

本日は6周年おめでとうございます。私は第4号から「ぶらり筑後史」という枠をいただいて執筆をしている者です。本業は弁護士をやっています。現住所は法律ですが大学時代は社会学部で哲学をやっていましたので本籍は思想史だと思っています。今日は中央の「歴史文化」というテーブルに着かせていただいております。隣に石山浩一郎先生・斉藤豊治先生という演劇の専門家がおられますので先ほどから演劇の話しをしておりました。演劇の世界にはプロとアマチュアがあります。プロとは舞台に出てお金をもらう人です。これに対しアマチュアというのは舞台に出るためにお金を支払う人のことです。演劇の世界で「舞台に出てお金をもらえる・それだけで普通の生活が出来る」本当のプロは極少数派です。同様に、私はこの雑誌に何度も自分の論考を載せてもらっておりますが、原稿料を頂いたことは一度もありません。原稿料がゼロであるどころか、この雑誌を維持するための協賛金を拠出しています。ゼロどころか、マイナスです。要するに私はアマチュアでして、自分の原稿を雑誌という形で読んでいただく舞台を維持するためのお金を支払っているのです(笑)。「あげな・どげな」が今後も長らく維持されますよう願っています。そのために私は今年以降も少しばかり協賛金のお支払いを継続することをお約束いたします。

私は趣味の世界ではアマチュアに徹します。趣味の世界を維持するためには多少の拠出も厭いません。その代わり本業の世界ではプロに徹します。合理性を感じられない舞台には立ちません。合理性を感じられれば無償奉仕もしますが、その判断を私以外の者に委ねることはありません。