法律コラム Vol.31

新会館と相談センター

福岡県弁護士会筑後部会は平成18年7月、念願の弁護士会館を立ち上げました。部会はこれを記念して小冊子を作り関係各位に配布しました。その冊子に法律相談センター運営委員会委員長として寄せた文章です。

 弁護士会が公益的活動を積極的に行うには基盤(弁護士会館)が必要です。福岡県弁護士会の場合、その基盤は4つ(福岡・北九州・筑後・筑豊)あります。地域毎に公益活動の基盤を有しているのが福岡の特徴です。この強固な基盤の上に福岡県弁護士会は積極的な公益活動を展開しています。法律相談は公益活動の1つであり相談センターは県内20ヶ所もあります。これは全国の弁護士会でトップです。4つの会館が活発な法律相談活動を支えています。
 では会館の建設と維持のための費用はどこから出ているのでしょうか。それは相談者からいただく相談料や受任弁護士から拠出される事務負担金です。法律相談センターは弁護士会の公益活動(当番弁護士・少年付添・精神保健他)を財政的に支え、自らの基盤である弁護士会館を財政的に支えています。弁護士会館と法律相談活動は切っても切れない車の両輪です。
 筑後弁護士会館は筑後地域の皆様の祝福を受けて誕生しました。ここに至る経緯には様々な要因がありますが何より筑後部会が近隣市町村から得ている信頼と部会所属の弁護士が法律相談センター活動を意義あるものと認識し積極的に盛り立ててきたことが大きいと思います。筑後の法律相談センターは高い受任率を誇り、納付頂く事務負担金も高額です。高い受任率と成功に伴う事務負担金の納付は、それだけ担当弁護士が地域の皆様に充実した法的サービスを提供出来たことの証でもあります。センター委員長として感謝と誇りの気持ちで一杯です。今後とも新会館が益々活用され、地域の法的需要に応えることを願ってやみません。

*開設以後、部会の活動は一気に活性化しました。会館の利用状況も想定を上回り、法律相談・ADR・各種集会など大いに活用されています。

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