久留米版徒然草 Vol.90

史実の書き換え

西日本新聞「雑記帳2024/2/22」(@上別府保慶)は良い記事であった。放映中の「光る君へ」に関して「歴史の勝者が自らに都合よく史実を書き換える」経験則をあてはめて花山天皇(本郷奏多が好演している)の奇行とされているものは後に政権を奪った藤原兼家サイドにより悪意を持って創作されたものという論である。時代考証をしている倉本一宏氏が「敗者たちの平安王朝:皇位継承の闇」(角川ソフィア文庫)で展開しているものらしい。購入して読んでみよう。
(世良洋子弁護士のコメント)
 私も読みました。古記録類には花山天皇の「狂気」を示すような記事は存在せず、摂関政治の故に皇統を嗣がせたくない勢力が天皇を退位させ「狂気」であったとレッテルを貼る論理は中国の易姓革命と同じであるとの論です。倉本先生の時代考証のおかげで、このドラマでは花山天皇の「奇行」はかなり抑制され「名君」エピソードも入れてきていると感じます。

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