5者のコラム 「芸者」Vol.141

若手弁護士向けの規範

キタ新地社交料飲協会の「ホステス心得帖」から幾つかピックアップし若手弁護士(35歳以下)向けの規範として敷衍いたします。
1 依頼者の最低の姿を見て全て判断するな。依頼者は、その人が思っているほどに立派ではないが弁護士が考えているよりは高級である。
2 弁護士も誠実で素直でないと知的職業人には見えない。法学的偏差値が高くても自分の心を磨くことも忘れずに。法律以外の教養も磨く。
3 事務所は毎日簡単な掃除をする。精神のだらしなさは事務所の片付け方に現れる。来所者から見て気持ちの良い事務所にするように心がける。
4 毎月貯金をして不時の支出に備える。弁護士の収入はいつ途絶えるか判らない不安定なものであることを肝に銘じる。良くも悪しくも自由業なのだ。
5 社会的動きを気に掛けておく。依頼者との雑談のための話題を豊富に持つことは弁護士の義務である。法律以外の世界への関心も高める。
6 外へ出たら世間一般の常識人として通用する人間であれ。外では法律は万能では無い。法律知識を振り回したら周りの人に確実に嫌われる。
7 裏方の方々(特に事務職員)に威張らない。人間は立場の弱い人に対する態度で値打ちが決まることを認識せよ。傲慢な人間は足元をすくわれる。
8 支出予算を作り守る。固定的な支出は可能な限り下げ突然の収入減少に備える。収入は制御が難しいが、支出は自力で制御することが可能である。
9 50歳になったときにどうしているか想像せよ。その準備を心がけておく。