5者のコラム 「医者」Vol.65

産科補償制度の現状

私は医者51(11/10/5)において産科医療補償制度に触れました。この制度の現状について「けんりほうニュース」はこう述べています(12/2/20)。
1 補償対象 分娩により次の基準を満たす状態で出生した児
 ① 出生体重2000グラム以上かつ在胎週数33週以上(この基準に該当しない場合でも在胎週数28週以上であれば周産期状況から個別に審査)
 ② 身体障害者1・2級相当の重傷児(先天性要因などの除外基準に該当する場合を除く)
2 補償内容 ①準備一時金 600万円×1回(看護・介護の基盤整備)
   ②補償分割金 120万円×20回(看護・介護費用のための年金)
3 原因分析(補償対象となった事例に付き原因分析委員会において医学的観点から検証・分析しその結果を児とその家族および分娩機関にフィードバックする。)
4 再発防止(原因分析された個々の事例情報を体系的に整理・蓄積し広く社会に公開することで将来の脳性麻痺の発症の防止等産科医療の質の向上を図る。)
* 実数(2年間)274件の審査請求 252件が補償対象。損害賠償請求されたのは18件(7.4%)訴訟になった18件中、損害賠償確定例は2件(和解) 訴訟継続中は3件。  
 産科補償制度は被害者を救済するとともに補償対象となった事例を医学的観点から分析し結果を関係者にフィードバックするものです。産科補償制度は産科医療者を糾弾するための制度ではありません。望ましい産科医療を実現するためのポジティブな制度なのです。

易者

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