5者のコラム 「易者」Vol.31

占いと法律業務のビジネスモデル

露木まさひろ「占い師!」(筑摩書房)に以下の記述があります(316頁)。
 

戦後の「第2次近代化」のなかで日本はビジネス優先の色合いを濃くしていった。ムラに出没した流浪の占い師や都市の片隅で光明を灯す占い師といった「異端者的な生業」は経済成長の中で姿を消していった。かわって「第2次近代化」が終了した1970年代頃から顕著になったのが、若い世代の占い好きが目立ち始めたことと、華やかな商業ビルに占いコーナーが次々と出現するなどのビジネス化だ。いまでは何人もの占い師を登録して各地に派遣する会社まで登場し、パソコンや携帯電話など{最先端通信機器のお遊びメニュー}にもすかさず占いが組み込まれる。

昔の優良法律事務所は「一見さんお断り」の雰囲気のもと良い顧客との安定的関係をメシのタネとしていました。それが司法改革において攻撃対象となりました。弁護士業務の大衆化が進み、固定的優良顧客層を持つ大弁護士は少数派になりました。代わって増えたのが華やかな商業ビルのワンフロアを借り切る巨大事務所です。特定の法律業務をビジネスモデル化し、派手なCMを行い検索広告を行う事務所が目立ちます。これらは広告費に見合う大量の依頼を受けないと経営的に成り立たないため、全国から膨大な依頼を受け、何十人何百人もの事務職員を使って定型的に事務処理をしているようです。日弁連も多重債務の事務処理基準として依頼者本人との直接面談を求めるなど、ビジネスモデルの多重債務処理について批判が強まっています。優良顧客との安定的関係だけをメシのタネとする法律事務所は(よほどの条件に恵まれない限り)世の中からいずれ姿を消すでしょう。しかし、その反動として出現した(ビジネスモデルとしての)多重債務専門事務所も(新たな鉱脈を発見しない限り)遠くない将来に行き詰まる時が来るのではないか?と私は将来を占っています。

芸者

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