5者のコラム 「易者」Vol.74

観光寺・信者寺・檀家寺

 中島隆信「お寺の経済学」(ちくま文庫)によるとお寺には観光寺・信者寺・檀家寺という種別があります。1観光寺(信仰心とは無関係に不特定多数の観光客が物見遊山で訪れる寺(京都の金閣・銀閣や鎌倉の大仏等・信仰を持たない観光客を魅了するため営業努力が重要となる・境内を美しく保ち外から見えないように囲う・維持費を拝観料によって賄う)。2信者寺(仏教の信仰心を持つ信者がお参りに訪れる寺・長野の善光寺がその典型・京都の本願寺や福井の永平寺等・観光寺ほどの排他性はなく信仰心があれば基本的に誰でも境内に入ることが出来る・重要なのは教義や僧侶に対する篤い信頼感を持ったリピーター)。3檀家寺(お寺のほとんどは檀家寺・檀家の葬式や法事などを中心に寺の生計を立てる・顧客は長期契約者たる檀家・何より重要なのは檀家の葬式・葬式の際は何周忌など先祖供養の重要性を諄々と説く必要がある)。
 この記述に従い法律事務所を種別分けします。1は派手な広告で全国から不特定多数の顧客を集めている新興事務所がこれに該ります。2は弁護士個人の魅力によって法律に縁の少ない市民の口コミで顧客を集めている小事務所がこれに該ります。3は大企業や団体の顧問業務を継続的に行っている老舗事務所がこれに該ります。若手の立場で法律事務所の将来を考えると、今すぐ3を目指すのは相当に難しい。1にも無理があります。膨大な広告費用を必要としますし商売気が強すぎると思われます。とすると今後の法律事務所(弁護士業務)のモデルは2ということになりそうです。

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