2010年1月26日 / 最終更新日 : 2023年10月29日 webmaster 医者 ルールに従って欲しい 精神療法の開拓者であるM.バリントは、予定外の面接をねだり取ろうとした患者に対して、次のようにクールに対応したそうです(中井久夫訳「治療論としての退行」金剛出版)。 実際に私はどうしようとしたか。まず患者の困惑を承認し、 […]
2009年12月15日 / 最終更新日 : 2023年10月29日 webmaster 医者 破産と更生の違い 私は裁判所から保全管理人代理に選任された弁護士です。報道のとおり、この会社は会社更生法適用を裁判所に申請し裁判所から保全命令が出されました。この手続は会社の更生ですから破産とは違います。少し譬え話をしますので聞いてくださ […]
2009年12月3日 / 最終更新日 : 2023年10月29日 webmaster 医者 規範と受容体 薬とは「何らかの効果を期待して意図的に体に取り込む化学物質」です(レスリー・アイヴァーセン「一冊でわかる薬」岩波書店27頁))。 薬は化学物質、つまり原子が連なった分子である。薬は通常比較的小さな分子であり、だいたい原子 […]
2009年10月19日 / 最終更新日 : 2023年10月29日 webmaster 医者 自然治癒力の意義 ヒポクラテスは次のように述べます(「古い医術について」岩波文庫)。 ところで私の論敵はこう言うであろう、病気になったとき医者にかからなくても回復した人が現にたくさんあるではないか、と。これには私も同意見である。しかし、医 […]
2009年9月3日 / 最終更新日 : 2023年12月17日 webmaster 医者 クライアントからの敬意と感謝 里見清一「偽善の医療」(新潮新書)はこう述べます。 自らの信条はともかく「患者は今や顧客と扱うべき」だとか率先して「患者様と言え」と下に指導するような医師の矜持や使命感をドブに捨てたような発言をする管理職が私の身近に […]
2009年7月11日 / 最終更新日 : 2023年7月15日 webmaster 医者 法哲学外来の要件 樋野興夫教授は「がん哲学外来入門」(毎日新聞社)でこう述べています。 日本人の2人に1人はがんになる。しかし患者は情報過多に迷い、医師は時間に追われている。医師が患者の話をじっくり聞くことが出来ない。がんは人を哲学 […]
2009年6月6日 / 最終更新日 : 2023年10月18日 webmaster 医者 SOAP方式の意義 看護実務におけるSOAP方式は次の内容です(新人ナースハンドブック)。 1 S(主観的データ) 問題に関連した患者の自覚的症状や訴えなど。患者の言葉を、自分の主観を全く交えずに、なるべくそのままで記述するもの。 2 […]
2009年5月15日 / 最終更新日 : 2023年10月18日 webmaster 医者 個人の問題か社会環境の問題か 岡田尊司「アベンジャー型犯罪」(文春新書)の記述。 今この日本で起きていることを捉えようとするとき、しばしば議論が混乱してしまいやすいのは個人の問題と社会の問題のどちらに焦点を当てるかによって問題の見え方が大きく違って […]
2009年4月29日 / 最終更新日 : 2023年10月30日 webmaster 医者 アメリカと対比した日本の医療制度の長所 医師会が主催した上映会で映画「シッコ(Sicko)」(マイケル・ムーア監督)を拝見。アメリカ医療界の問題点を赤裸々に描いたものです。日本におけるキャッチコピーは「テロより怖い医療問題」です。例えば①事故で指を2本切断され […]
2009年3月25日 / 最終更新日 : 2023年10月30日 webmaster 医者 ガンと認知症の社会学的意義 犯罪は当の犯罪者自身も意図していない有用な効果を社会にもたらします。皆が声をそろえて犯罪者を非難することによって社会は集結力を高めるのです。同様にガンは社会の敵としてラベリングされています(5者11)。しかしガンが完全に […]
2009年3月3日 / 最終更新日 : 2023年10月17日 webmaster 医者 冷たい・たらい回し? 医師・斉藤環氏は以下のとおり述べます(毎日新聞「時代の風」08年11月23日)。 「たらい回し」「受け入れ拒否」「診療拒否」といった誤った言葉がいまだに流通していることに驚かされる(正しくは「受け入れ不能」)。こうした運 […]
2009年1月17日 / 最終更新日 : 2023年10月19日 webmaster 医者 ストレスフルな刑事裁判 検察修習の時、法医学教授による死体解剖に立ち会う機会がありました。死後直ぐの死体であればともかく、死後数日経過している腐乱死体だったので難儀でした。死体にはウジがわき、凄まじい悪臭がします。教授はこう言いました。「人間は […]