2007年8月17日 / 最終更新日 : 2023年10月30日 webmaster 学者 非体験者の虚偽供述と事実認定 浜田寿美男「うそを見抜く心理学」(NHKブックス)はこう述べます。 1 非体験者の虚偽供述は、時間をさかのぼって理屈で物語を構成せざるを得ないために現実とどうしても折り合わない矛盾・あるいは不自然さが含まれてくる。 2 […]
2007年7月12日 / 最終更新日 : 2023年10月30日 webmaster 学者 他者の人生への想像力 もしも「小倉百人一首の中で印象的な歌を1つ挙げよ」と言われて次の歌をあげる人はあまり多くないのではないかと思います。 天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも(阿倍仲麻呂) 現代語訳:大空をはるかに見渡 […]
2007年5月15日 / 最終更新日 : 2023年2月7日 webmaster 学者 今村仁司先生の思い出 私が学生時代に敬愛した哲学者は今村仁司先生です。大学3年生の時に今村先生が社会思想史特問という講座を一橋で受け持ってくださりました。講義終了後に追いかけ食堂前のベンチで30分程話し込みました。学者になりたい私はそのことを […]
2007年4月14日 / 最終更新日 : 2023年11月7日 webmaster 学者 情報普遍化と弁護士の未来 西洋哲学史は「世界の本質を理論的に見極めたい」願望に貫かれています。デカルトからニュートン物理学を経て現在に至るまでこの欲望は一貫しています。数学という知的武器の洗練とともにこの傾向は強くなりました。「現象」の外形的観察 […]
2007年3月24日 / 最終更新日 : 2023年2月7日 webmaster 学者 恩送りの構造と司法改革 法律学の体系書の序文には恩師に対する過剰な謝辞が連ねられていることが珍しくありません。 私は大学3年間の民法を鳩山先生に教えられた。それから今日まで直接にその口から間接にその著述を通じて一日として先生に学ばない日はない。 […]
2007年2月16日 / 最終更新日 : 2023年10月18日 webmaster 学者 大学教授の任務 民法学の大家である我妻栄博士は「近代法における債権の優越的地位」(昭和27年・有斐閣)を出版するにあたり以下の趣旨の長い長い前文を執筆されました。 大学教授には2つの任務がある。1つは専攻する分野に関して講義案ないし教科 […]
2007年1月26日 / 最終更新日 : 2024年4月22日 webmaster 学者 純粋理性批判を用いた映画評論 カントの主著「純粋理性批判」(岩波文庫他)は要約するのが難しい書物ですが、基本的な構想は次の諸命題であろうと思われます。 ①我々の認識は経験から生まれる。②しかし認識の枠組みとなる時間や空間は経験から生じるものではない( […]
2006年12月26日 / 最終更新日 : 2023年11月7日 webmaster 学者 価値自由論と「7つの社会的罪」 マックス・ウェーバーの「職業としての学問」は社会学部生の必読書ですが、彼が展開する「価値判断からの自由」(存在と当否・学問と政策の区別)は問題が多い。ウェーバーは「学者は自己の主観的評価や個人的世界観を学生に強いてはなら […]
2006年11月24日 / 最終更新日 : 2023年11月7日 webmaster 学者 良き師匠と美しき誤解 初めて独学で法律の勉強を始めた頃、私は法律学において人の名前の付いた「説」というものが存在することの意味が判りませんでした。司法試験受験生の中には「佐藤幸治先生は凄い」 「大塚先生は最高だ」 「やはり鈴木先生でいく」と熱 […]
2006年10月3日 / 最終更新日 : 2022年12月20日 webmaster 学者 合理化の果てに生じる著しい不合理 近代科学は呪術に満ちた日常生活から不合理性を排除し合理的精神の元に体系化することを目的として構築されてきました。数学を用い世界を合理的に描き出したニュートン物理学が近代科学の模範とされました。この世界観を基礎づけたのがデ […]