2008年11月9日 / 最終更新日 : 2023年10月30日 webmaster 学者 日本の刑事司法の特徴(広くて浅い) 王雲海教授は「日本の刑罰は重いか軽いか」(集英社新書)でこう述べます。 中国の刑罰は「狭くて深い」。よほど大きい行為だけが犯罪とされ、犯罪の範囲・射程は極めて狭いが、いったん犯罪とされたら刑罰は極めて重い。中国刑法典 […]
2008年9月21日 / 最終更新日 : 2023年10月30日 webmaster 学者 入試における却下判決 平野龍一博士は名著「刑事訴訟法」(有斐閣法律学全集)でこう述べます。 訴訟追行行為は裁判所に対して判断を求める行為であって、さらに申立・主張・立証に分けられる。申立とは裁判所の一定の意思表示を求める行為であり、主張とはこ […]
2008年9月1日 / 最終更新日 : 2023年10月30日 webmaster 学者 奨励会とロースクール プロ棋士になるには日本将棋連盟の奨励会に入り四段にならなければなりません。片山良三氏はこう述べます(「波乱盤上・将棋界の光と影」あすか書房182頁)。 ほとんどの少年は入会して1月もしないうちに自分が抱いていた大いなる「 […]
2008年8月1日 / 最終更新日 : 2022年10月30日 webmaster 学者 弁護士実務における簿記会計の意義 修習生の頃、簿記の勉強をしました。日商2級まで取りました。3級でも①個々の取引の仕訳②総勘定元帳の整理③期末の修正④貸借対照表と損益計算書の作成まで行います。これらの作業を実際に行い、私は各勘定科目の背後に貨幣が存在して […]
2008年6月24日 / 最終更新日 : 2023年10月30日 webmaster 学者 新法理と知的財産権 知的な貢献に対して法的保護を与え、合法的な利用方法を制度化し、侵害した者に対して制裁を科すシステムが知的財産権です。羽生名人は二宮清純氏との対談でこう述べています(羽生善治・二宮清純「歩をと金に変える人材活用術」日本経済 […]
2008年4月25日 / 最終更新日 : 2024年2月21日 webmaster 学者 大学と法曹の魅力が無くなること 学生時代、私はあまり講義に出ませんでした。教授も「講義は聞きたい者だけ聞けばよい。学生は自分が興味をもつテーマを勝手に勉強しなさい。」という雰囲気でした。これに対して近頃の大学の状況を佐伯啓思氏はこう描写しています(「学 […]
2008年3月19日 / 最終更新日 : 2024年3月19日 webmaster 学者 ミッション・パッション・ハイテンション 私は5者14(12月21日)においてパッション(受難・情熱)を否定的文脈で使用し、他者の棘を受け流す術について言及しています。これらは「燃え尽き症候群」に陥らないための技術として意義があると思いますが、若い人の中には仕事 […]
2008年2月26日 / 最終更新日 : 2023年10月30日 webmaster 学者 知識を得る・クリエイティブなことを試す 羽生さんは良い将棋を指す条件として①知識を得ること、②クリエイティブなことを試すことという2点をあげています(羽生・小山「勉強について私たちの考え方と方法」PHP)。①はセオリーを学ぶこと・その世界の常識を体系的に吸収す […]
2008年1月15日 / 最終更新日 : 2023年10月30日 webmaster 学者 書物と知識と対話の関係 一橋言語社会研究所の古澤ゆう子教授は大学の機関誌で次のように述べています。 何かについて「あの本のどこらへんに載っているか知っている」だけでは本当に「知っている」ことにはならない。しかし世の多くの「知者」は自分の内に持 […]
2007年12月2日 / 最終更新日 : 2023年10月30日 webmaster 学者 クレーマーへの対処 諏訪哲二「学校のモンスター」(中公新書ラクレ)がモンスターの行動を紹介しています。例: ・大学進学に必要のない科目の授業は受けなくて済むよう求める。 ・暴力団とのつながりをほのめかして、要求を通そうとする。 ・教師 […]
2007年10月18日 / 最終更新日 : 2023年10月30日 webmaster 学者 徳(アレテー)の分類 西洋思想史においてアリストテレスが残した知的遺産は巨大です。彼は「ニコマコス倫理学」にて「徳」(アレテー)を次のように分類します(岩波文庫)。 1 知性的徳(経験と時間を要する教育の成果) イ 学問的部分(エピステーモ […]
2007年9月13日 / 最終更新日 : 2023年10月30日 webmaster 学者 人の生き様と社会経済構造 長山靖生「大帝没後」(新潮新書)に次の記述。 日露戦争に勝利した後、日本は八大国のひとつと言われ、いわゆる西洋列強に比肩する地位を占めた。しかし、これはそれまでのような明確な国家目標の喪失をも意味していた。徳富蘇峰云うと […]