2023年4月7日 / 最終更新日 : 2023年4月7日 webmaster 学者 けもの道の痕跡 初期のコラムで我妻栄「民法講義Ⅳ」(岩波書店)の序文を引用しました(学者30)。 民法講義ⅠからⅦまでを書こうとする私の仕事はわが国の道路舗装工事に似ている。終点まで完成する前に、初めの方が破損して用をなさなくなり、乏し […]
2023年3月1日 / 最終更新日 : 2023年2月27日 webmaster 学者 環境への適応と不適応 戸田智弘「学び続ける理由」(デイスカバー21)によると一橋大学の阿部謹也学長は1993年入学式の式辞において次のコトバを引用したそうです(30頁)。 人間は、自分が置かれている環境にうまく適応している限りで、その環境の本 […]
2023年1月29日 / 最終更新日 : 2023年5月24日 webmaster 学者 監査の仕事を行う観点 私は御縁あって久留米市の監査委員として職務を遂行しています。任期は1期4年間なので4年で終わるはずでしたが、引き続き2期8年間も監査委員の仕事をさせていただいています。同様に私は御縁あって学校法人久留米大学の法人監事の仕 […]
2022年12月21日 / 最終更新日 : 2023年7月16日 webmaster 学者 凡人がするには良い職業 tanukiinu先生が「弁護士引退日記」でこう述べておられました。 100人理系の学生がいると、その中で真に理系のセンスがあるのはせいぜい1人か2人位です。私はセンスがないほうで、ただの学校秀才でした。このまま理系の方 […]
2022年11月16日 / 最終更新日 : 2022年11月24日 webmaster 学者 頭の良い人≠行為の人 寺田寅彦は「科学者とあたま」と題する評論でこう述べている。 頭の良い人はあまりに多く頭の力を過信する恐れがある。その結果として自然が我々に表示する現象が自分の頭で考えたことと一致しない場合に「自然のほうが間違っている」 […]
2022年10月12日 / 最終更新日 : 2023年10月29日 webmaster 学者 監査という仕事 弁護士生活が20年を越えたあたりから御縁あって地方自治体や学校法人の監査の仕事をさせていただくようになりました。就任後しばらくは果たすべき役割が判らないままでしたが、慣れてくると「組織の内部にありながらも組織を外部的視点 […]
2022年9月5日 / 最終更新日 : 2024年7月16日 webmaster 学者 絶対主義と相対主義(肉食か草食か) 刑法を学ぶ中で「人間の意思は自由か否か」を議論する場面があり「旧派は自由意思肯定(非決定論)で、新派は自由意思否定(決定論)」という図式を学んだ。この図式を批判し平野龍一博士が表明した「ソフトな決定論」に私は感心した。ソ […]
2022年7月27日 / 最終更新日 : 2023年10月29日 webmaster 学者 子ども的な見方からの脱却 内田樹先生がブログでこう述べています。 外国語を学ぶ目的は、われわれとは違うしかたで世界を分節し、われわれとは違う景色を見ている人たちに想像的に共感することです。われわれとはコスモロジーが違う、価値観・美意識が違う、死生 […]
2022年6月22日 / 最終更新日 : 2023年10月29日 webmaster 学者 欲望と良識の関係・哲分補給の意義 鉄は桁違いに採掘可能埋蔵量が多く(約2320億トンと推定されている)安価で強固な素材として不可欠です。生物にとり鉄は必要不可欠な元素でもあります。「モノづくりの原点・科学の世界15鉄の起源」(ニッポンスティールマンスリー […]
2022年5月18日 / 最終更新日 : 2023年10月29日 webmaster 学者 複式簿記による二重計算・企業活動者たる弁護士 渡邊泉「会計学の誕生」(岩波新書)に以下の記述があります。 金銭貸借や信用取引に伴う取引も、コインに表と裏があるように、貸し手ないしは売り手と借り手ないしは買い主の両者が存在します。記録の正確性を検証するためにどちらか一 […]
2022年4月13日 / 最終更新日 : 2023年10月29日 webmaster 学者 頑張れば報われるか 2019年の東京大学入学式で上野千鶴子名誉教授が述べた祝辞。 あなたたちは「がんばれば報われる」と思ってここまで来たはずです。ですが「がんばっても公正に報われない社会」があなたたちを待っています。そして「がんばったら報わ […]
2022年3月8日 / 最終更新日 : 2023年10月29日 webmaster 学者 情報処理スキルの限界 山口周氏は「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」(光文社新書)において自説を見事に要約しています(14頁「忙しい読者のために」)。 1 論理的・理性的な情報処理スキルの限界が露呈しつつある事実 ① 多くの人が […]