病理が表象されやすい男社会
安富歩教授が「現代ビジネス」でこう述べています。
第2次世界大戦中に軍隊から生まれた「男らしくあれ」というホモマゾ的な強迫観念と「立場を守れ」という立場主義。この2つのシステムが戦後に著しく成長してしまったからこそ現在の日本の社会は息苦しいのだ。「でも日本はそのおかげでありえないくらい戦後の経済復興に成功しちゃったから、ずっと続けてれば良いって未だに思ってるわけ。立場を守るために男は命を投げ出す。それが正しい・それが正義って。おかしいよね。女はある程度やってくだらなさに気づいたらやーめたって抜けられるけど男は一生ホモマゾと立場主義から抜け出せない。」では日本以外の国々はどうだろうか。安冨はどの先進国にも人を抑圧する強固すぎるシステムは存在すると語る。「中国はメンツ主義。メンツがすべて。メンツを守るためには死すら厭わない。アメリカは多分『幸福で前向きなフリ』を続ける社会。そのフリを続けるため薬物に依存して、それでも続けられなくなると銃器が出てくる。英国やフランスもまた其々に形態は違うけれど同じような抑圧のシステムを抱えている。一見民主主義のふりをして内部はガチガチのエリート主義で非民主的。システムがものすごく上手くできているから文句つけようがないけど、エリートは精神的に追い詰められていて階級差別が人々の魂を殺している。だから男たちはそのストレスをスポーツ観戦で発散してフーリガンになる。
病理が表象されやすいのは男社会。女はある程度やって、くだらなさに気づいたら「やーめたっ」と抜けられる。確かに性差を乗り越えた元男の方々(美輪明宏など)のほうが社会の病理をズバッと指摘して前向きに生きる活力を社会に与えています。同様に社会の境界を越境する弁護士は社会の病理をズバッと指摘して前向きに生きる活力を社会に与えることを求められています。