演出家に必要な要素
NHK「おじゃる丸」の監督・大地丙太郎氏は「これが『演出』なのだっ」(講談社アフタヌーン新書)で演出家に必要な要素として3点をあげます。
1 この仕事が好きで好きでしようがない・・という人でないと、まずはおもしろいものはできないでしょう。作業は案外つらいものです。アイデアが浮かばないと泣くこともあります。でも、好きということがそれを上回るのです。
2 常識人でもあり非常識人でもあることです。常識だけではおもしろいものはできないし、非常識だけでもおもしろくできません。両方の感覚を持ち合わせていることです。アニメ制作のどのシーンにも、この「バランス感覚」は必要とされます。
3 人を喜ばせよう、驚かせよう、楽しませようという精神です。人と違うものを作ろう、誰もやったことのないものを作ろうという気持ちです。ギャラ安いからなあ、そこまでやりたくないようなあ・・なんて思っている人は、この仕事やらないでほしいですね。(6頁)
上記3点は弁護士にも不可欠の要素ではないかと感じます。
1 弁護士業務は他人の争いの中に飛び込んでいく仕事です。辛いこともありますが、その辛さを乗り越えて良い結果を出せたときは充実感があります。これが私の「天職」だと思える法律業務が好きな人に弁護士になっていただきたいと思います。
2 弁護士が「常識」をわきまえるべきですが、常識を疑いもせず押しつけるだけの弁護士は良い法律家とは言えないと感じます。常識は、ときに多数の横暴であったり、真実の隠蔽であったりします。常識に対する「バランス感覚」は不可欠です。
3 サービスとは「奉仕」です。依頼者への奉仕・社会への奉仕・法律論全体が良くなることへの奉仕の精神は、とても大切だと思います。ギャラが安いからと言って奉仕をサボタージュする人は、この仕事やらないでほしいですね。