法律コラム Vol.47

他部会という言葉

福岡県弁護士会は福岡・北九州・筑後・筑豊という4つの部会で成り立っています。歴史や土地柄の違いにより各々の弁護士事情が異なるため(対外的には一体ですが)内部的には相当の独立性が認められた弁護士会運営がなされています。執行部を担っていると県弁と部会の関係に気を遣うことが多いのですが、機関誌に意見を述べる機会を与えられたので投稿しました。

7月28日県弁委員長会議が開かれました。筑後部会長として「部会から見た県弁委員会の問題点」について意見を求められ次のように述べました。
 県弁の委員会が福岡(部会)だけでなく北九州・筑後・筑豊でも行われるようになってきたことは県弁の一体性を高めるために有意義であると思う。福岡で開催される場合もテレビ会議システムにより遠方から苦労なく参加できるようになったことは喜ばしいと思っている。しかしたとえば議題がもっぱら福岡地区に関することばかりでは遠方の参加者はやる気をなくす。県弁の委員会はあくまで県全体のことを議論する場であって福岡部会の問題を議論する場ではないからだ。法律相談センター委員会の上田委員長は県弁レベルの問題と部会レベルの問題を分けて(最初に県全体・その後に福岡地区)議論をされているが、ああいう気配りは遠方からの参加者にとって大変有り難いと考える。前から気になっているのは県弁レベルの議論をしているときに「他部会」という言葉を使う人がいることだ。部会の議論をしている時なら判る。例えば北九州部会の評議員会で筑後を他部会と呼んでも違和感はない。しかし県弁の議論をしているときに「他部会」はないだろうと感じてしまう。「他部会」という言葉を無意識に使う方が見受けられるのは、県弁と部会の差異をあまり意識しておられないからではないか。福岡県弁護士会の活動は部会と県弁の二重構造になっていることをもう少し意識して頂きたい。その上で県弁の委員長には部会においていかなる活動がなされているかにも気を配って頂ければと考える。他部会という言葉の排他性は昔から感じていました。県弁の議論をするときは「他部会」という言葉は「タブーかい?」と考えて欲しいと考えます。

* 福岡県弁護士会「月報」2010年10月号「部会だより」に掲載。

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