水野良樹さんの祝辞
大学の同窓会機関誌「如水会会報2024・6」を受領した。入学式来賓祝辞を水野良樹さん(@いきものがかり:平18社会学部)がされていたことを知る。以下引用します。
「受験生活、大変お疲れ様でした。この社会にあって不自由なく教育を享受できることそのものが幸運であることは間違いありません。その前提はありつつも皆さんは生まれてから育ち、学び、様々なことがあってそこに座っておられるのだと思います。」「誰と出会い、誰と別れ、何に悩んできたのか、それはご自身しか知らない物語です。」「可能性が広がっています。たしかに皆さんの前には広大な平野のように可能性が広がっています。しかし、それは残酷な現実そのものでもあります。可能性とは正の方向にも負の方向にも開けているものです。」「あなたの人生はあなたにしか与えられていません。それはつまりあなたが望む・望まないに拘わらず、あなたの人生の主語は『あなた』のままだということです。この当然すぎる事実はとても重要なことであり、そしてとても過酷なことです。」「教育は、学びは、常にそれを享受する主体を脅かすものです。学びとは常にあなたの主体性に挑んでくるものです。」「あなたの人生は、あなたにしか与えられていません。それはつまり、あなたが望む・望まないにかかわらず、あなたの人生の主語は『あなた』のままだということです。あなたはあなたの人生の主語として生きています。これまでも、そして、これからも。そこから逃れることはできません。この当然すぎる事実は、とても重要なことであり、そしてとても過酷なことです。」「私は歌を作ることを生業にしています。歌の多くはわずか数分に満たない長さで、そこに載せられる歌詞は原稿用紙にしてせいぜい1枚か2枚程度。そんな少ない情報の中に顔も名前も知らない出会ったこともない多くの人たちが自分の人生そのものを重ね合わせる瞬間を何度か見てきました。ほんの数行の歌詞の中に聞き手は膨大な意味を見出します。何故そんなことが可能なのか。それは聞き手が自分を主人公として、自分を主語として、その歌を聞くからです。」「おそらく学びもそうなのではないでしょうか。あなたが、あなたとして世界に向き合う。主体性とは世界をひらく、かくも強靭な姿勢なのです。」「今、あらためてみなさんに問います。あなたは何を学びますか?何を考えますか?何を感じますか?膨大にある知識を前に、どう立ち向かい、どう意味を見出しますか。あなたはどう変化するのですか?あなたはどう生きるのですか?答えはあなたたにしかわかりません。」
一橋大学(特に社会学部)の卒業生であることを誇りに思えました。