2007年2月16日 / 最終更新日 : 2023年10月18日 webmaster 学者 大学教授の任務 民法学の大家である我妻栄博士は「近代法における債権の優越的地位」(昭和27年・有斐閣)を出版するにあたり以下の趣旨の長い長い前文を執筆されました。 大学教授には2つの任務がある。1つは専攻する分野に関して講義案ないし教科 […]
2007年2月15日 / 最終更新日 : 2022年10月12日 webmaster 役者 初心忘るべからず 「初心忘るべからず」という言葉は世阿弥が「花鏡」で述べているものです。土屋恵一郎氏は次の読み方を提示します。(「処世術は世阿弥に学べ」岩波アクテイブ新書)。 世阿弥にとっての「初心」とは新しい事態に対応するときの方法であ […]
2007年2月12日 / 最終更新日 : 2024年2月24日 webmaster 医者 勝ち組と負け組の二極化 「業界」としての医者の世界と弁護士の世界には似た面が多数あります。狭き門をくぐった者に対して与えられた豊かな生活。その豊かな者の集まりたる業界団体(医師会と弁護士会)。繁栄を享受してきた二つの業界に対し強い政治的圧力がか […]
2007年2月5日 / 最終更新日 : 2023年11月7日 webmaster 5者 素直さとプライドの両立 久留米市の翠香園ホテルで将棋の王位戦が開かれた時、私は大盤解説を聞きに行きました。北九州市の蓼沼先生がいるのを発見し「先生もお好きなんですね」と話しかけると、先生は立会人森下九段と大の仲良しということでした。先生から森下 […]
2007年1月29日 / 最終更新日 : 2023年10月18日 webmaster 芸者 社会の共有の存在たる性格 昭和30年代のテレビジョン普及と新幹線開通まで日本の西と東では文化精神面は全く異なっていました。関東大震災以前まで遡れば尚更で花柳界のあり方も全く異なっていたのです(岩下尚史「芸者論」雄山閣120頁)。昭和33年以前の関 […]
2007年1月26日 / 最終更新日 : 2024年4月22日 webmaster 学者 純粋理性批判を用いた映画評論 カントの主著「純粋理性批判」(岩波文庫他)は要約するのが難しい書物ですが、基本的な構想は次の諸命題であろうと思われます。 ①我々の認識は経験から生まれる。②しかし認識の枠組みとなる時間や空間は経験から生じるものではない( […]
2007年1月23日 / 最終更新日 : 2023年11月7日 webmaster 易者 呪いの言葉と法的論理 田口ランディ「根を持つこと・翼を持つこと」(晶文社)の記述。 呪いの特徴はまず「意味不明の反復」に始まる。呪いの言葉というのは明瞭ではおかしい。相手を縛るためにはまず不明瞭であることが重要なのだ。よって人は呪いをかけるた […]
2007年1月16日 / 最終更新日 : 2022年12月8日 webmaster 医者 原子からイオンへの成長 ナトリウムの原子番号は11です(ゆえに電子11個で中性です)。これに対し電子は第1軌道の2個と第2軌道の8個、計10個で安定しようとします。そこでナトリウムは電子1個を放出してナトリウムイオン(陽イオン)になりたがる性質 […]
2007年1月11日 / 最終更新日 : 2023年11月7日 webmaster 役者 光の存在としての弁護士会 大学生の頃、ベートーヴェン「第九交響曲」を唱う合唱団に参加しました。私は音楽活動の経験が無くドイツ語も知らなかったので最初は散々。9月から始まった練習ではしばしば惨めな思いをしましたが合唱指揮・清水先生の明るい指導に支え […]
2007年1月7日 / 最終更新日 : 2022年12月4日 webmaster 5者 サービス業者と潔癖性 弁護士の5者的要素には偏りがあります。判りやすいのは芸者と学者です。 芸者的要素が強いのは事務所を繁栄させるため筋の悪い事件も抵抗無く受ける弁護士。こういう弁護士は田舎よりも都会に多い。都会では弁護士間の信頼関係が無い […]
2006年12月28日 / 最終更新日 : 2023年2月7日 webmaster 芸者 生気を与える存在 「白拍子」(しらびょうし)なる芸能は元来男性が演じるものでしたが、やがて烏帽子水千に太刀の姿で登場したアソビメたちの真似るところとなり、これを演じるアソビメを白拍子と呼ぶようになりました。やがて白拍子は音楽や舞いを用いて […]
2006年12月26日 / 最終更新日 : 2023年11月7日 webmaster 学者 価値自由論と「7つの社会的罪」 マックス・ウェーバーの「職業としての学問」は社会学部生の必読書ですが、彼が展開する「価値判断からの自由」(存在と当否・学問と政策の区別)は問題が多い。ウェーバーは「学者は自己の主観的評価や個人的世界観を学生に強いてはなら […]