5者のコラム 「役者」Vol.20
顧客から見える事務所の風景
渡辺武信氏は「住まい方の演出」(中公新書)を次のように構成します。
第Ⅰ部 登場と退場
第1章(玄関扉・開き方に現れる文化)第2章(上がり框・内と外の感覚)第3章(階段・上り下りの演劇性)第4章(障子と襖・気配の伝達)第5章(カーテン・インテリアの夜会服)
第Ⅱ部 大道具
第6章(テーブル・席の象徴性)第7章(椅子・ただ”そこに居る”ために)第8章ソファー(座り心地より寝心地)第9章(ベッド・就眠を超えた機能)第10章(家具・選ばれた者たちと生きる)
第Ⅲ部 背景
第11章(屋根・展望の便宜と禁忌の魅惑)第12章(天井・高さは権威か?)第13章(窓と壁・守りの構え)第14章(縁側・私性を近隣に開く)第15章(庭・ひそかな感情の放電圏)
第Ⅳ部 仕掛け
第16章(本棚・自分史の表現)第17章(鍵・入る人を特定する仕掛け)第18章(冷蔵庫・飢餓からの距離感)第19章(食器・皿小鉢に映る家族像)第20章(テレビ・環境に参加する映像)第21章(電話・情報の制御)第22章(風呂・湯の中に溶けこむ共同性)第23章(神棚仏壇・非合理を飼い慣らす仕掛け)
弁護士から見える事務所の風景と顧客から見える事務所の風景は違います。事務所を訪れる方の目線から法律事務所の「演出」を考えることが必要でしょう。