5者のコラム 「芸者」Vol.31

難局に対処する技術1

田中綾子他「クレーム対応のプロが教える心を疲れさせない技術」(青春出版社)からストレスの思考パターンとコーピングスキルをご紹介します。

1 ストレスを生み大きくしてしまう思考パターン(36頁)
①白黒思考(物事を極端な2分法で考え、常に「白か黒」をつけないと気が済まず、その中間を考慮に入れない考え方)②一般化思考(わずかな事実で「いつも決まってこうだ」などと一般法則であるかのように結論づけたり、悪い出来事が一度起こると「上手くいったことがない」など考える)③マイナス思考(自分にとって良い出来事を無視したり、あるいは何でもない出来事を自己否定的に解釈する考え方)④個人的思考(何か悪いことが起きると、直接自分には関係がないような出来事に関しても自分のせいにしてしまう考え方)
2 コーピングスキル・cope(難局に対処する)技術(41頁)
 ①反応を鎮める(怒りや不安は緊張を感じたときは、まずはしっかりと冷静に状況認識をすることが大切)②原因たる出来事をなくす(ストレスを引き起こす原因である出来事そのものをなくす方法・ストレスを断ち切るためには行動を伴った努力が必要)③感想を変える(ネガティブな感情が生まれてしまったときは、まず最初に何が事実で、何が感想なのかを、しっかりと分けて考えることが大切)④周りの協力を得る(孤独感で一杯になるときがありますが私たちは1人ではありません。心がへこむことがあったときは周りの人へ相談することが大切)

弁護士にとっても重要な知見です。「心を疲れさせない技術」は、弁護士が(燃え尽きないようにしながら)長い時間を仕事に注ぎ込むために、大いに参考になると思われます。