関係破綻の回避
織田佳臨「占い師が教える心をつかむ会話術」(グラフ社)の記述。
お客様の反応で一番怖いところは何も言われなく去って行かれること。たとえ厳しい言葉であっても連絡をしてくるということは、その反応によっては、まだ付き合おうと考えているという姿勢の表れでもあります。この仕事をしていると気が付くのですが、お客様は個人でやっている占い師にはクレームを言うことはあまりなく、組織に所属している占い師に対しては組織に対してクレームを言うことが多々あります。これはある意味では個々の占い師には期待していないということなのかもしれません。そもそも、その占い師にしか言うことがなければ話が平行線で終わる可能性が高いのですから。ですが、会社に言えば、なかに誰か自分の気持ちを分かってくれる人が1人でもいるのでは?と期待するのですね。
依頼者の反応で怖いのは何も言われないまま弁護士会に懲戒請求や紛議調停の申し立てをされること。逆に言うと、厳しい言葉であっても自分に対し不満の連絡をしてくるということは(反応によっては)まだ弁護士と円満に付き合おうと考えているという姿勢の表れです。弁護士個人に対してクレームを言う依頼者は少数派のようです。まだ「弁護士の壁は高い」のかもしれません。その代わり弁護士に対する不満を事務局が聴取することがあります。これは個々の弁護士に期待していない(自分の心の内を判ってもらえていない)と解釈できます。事務局に言えば「自分の気持ちを分かってくれるのでは」と期待するのですね。もしもそういう事態が生じたら、自分の至らなさを反省するとともに、言ってくれた依頼者にお詫びし、聞いてくれた事務局に感謝すべきです。何故ならば、そういう別経路のコミュニケーションによって(懲戒請求や紛議調停という)弁護士と依頼者の関係破綻を上手に回避することが出来るからです。そんなときに「怒る」なんて論外です。