法律の解釈適用により解決可能な相談
ある占い系のサイトに次の記述がありました。
現在でも老若男女を問わず何か困ったことや迷いがあれば最終的には占い師のところに問題が持ち込まれることが多いのです。若い人が何かにつけて占いを見る・新宗教に入るというのも同じところから来ているような気がします。それが何か霊の乗り移ったようなマカ不思議な祈祷師ふうを好む人もあれば、本を出していてインテリだということにステータスを求める人もありますが、根は同じだと思います。その相談内容というのは宗教で言われるとおり、やはり「貧・病・争」に集約されるようです。そして驚くばかり深刻な問題が持ちこまれることも多く、見当違いも数多く見受けられます。これは実際その現場におりますと明らかに警察や弁護士の守備範囲だったり、もっと多いのは精神科に属することです。
弁護士の相談現場にも同じ現象が生じます。特に市役所・法テラス等の無料相談においては、どう生きるべきかという「人生相談」、吉兆の判断を求める「占い」を求める方、異常な言動をする「精神疾患」の相談者が少なからず見受けられます。警察に関連する事項は法律問題なので告訴手続を教示したり・担当部局を教えたり・民事賠償との関係を説明するなど、お役に立てることもあります。が、占い的な人生相談について弁護士が役に立てることはありません。精神疾患を感じられる相談者に「貴方は病気です・ 精神科医の診察を受けるように」等ストレートな言明をすることは憚られるので対応は困難を極めます。弁護士が出来るのは<法律の解釈適用により解決可能な紛争>の相談に限られます。もちろん「市民は法律の解釈適用により解決可能な紛争であるか否かが判らないからこそ弁護士に相談に行くのだ」という見方が成り立つのは私も判っています。が、それでも尚、このことは強調しておきたい。弁護士への相談はあくまでも<法律>相談です。