手に職を付ける?
ある予備校講師の方がブログで次のように述べています。
「高校教諭や大学教授が本業で・予備校講師が副業」という形の兼業は近年本務の高校や大学がアルバイトを厳禁しているために成立しにくくなった。それに代わって「医師で数学講師・獣医で生物講師・薬剤師で化学講師・作曲家で英語講師」などという兼業が珍しくなくなった。が、本業だけで食えないわけではなくても、教えるのが好きだからという理由の兼業だけでなく逆に予備校講師だけでは食えないから他の仕事も兼ねるという場合もある。景気の悪い世の中だから、どの職種も本業だけでは食えなくなったということでは本来は花形であるはずの弁護士も例外ではないらしくある法律事務所では所長がイソ弁に「これからは弁護士も手に職をつけておかないと安心ではない」と言ったという。弁護士にとって「手に職をつける」とは具体的には「弁護士だけではなく公認会計士と不動産鑑定士の資格も取っておけ」とか、女性弁護士なら「医師や看護師の資格もあったほうがいい」ということだろうか。そう言えば、かつて涼風真世が主演の「京都の芸者弁護士(事件簿)」というテレビドラマがあったが「芸者」はまさに女性ならではの「手に職」に違いない。
かつて弁護士業界が花形の職種であったこと・それが本業だけでは食えないと言われつつあることは間違いありません。実績を積み相当の顧客の厚みを築いているベテラン弁護士ですら仕事の減少に悩んでいます。いわんやこれから実務に入ろうとする若手にとって「本業だけでは食えない」というのは冗談でも何でもなく切実な課題になりつつあります。が「手に職をつける」というのは何でしょう?これから別の資格も取るのでしょうか?そもそも法曹資格をとるために幾らの時間と費用を要したのでしょう?私は「弁護士は芸者である」という命題を自虐的メタファーとして使用してきました。現在の法曹養成制度では本当の芸者弁護士が現れるかもしれません。