5者のコラム 「易者」Vol.89
思想宗教に対する嫌悪感
私の事務所で司法修習をした松嶋君が易者52についてコメントしてくれました。「思想や宗教に対する尊敬心を持っていた方が世の中をもう少し楽しく生きられるのではないか」なる私の記述は同意できないというのです。松嶋君は次のようにコメントしています。
①「思想」について:私は思想家と称される人々の高邁な話を聞いたところで「ふーん」以上の感想を持った記憶がない。人格の根本部分から説得されたという感覚を持った記憶もない。傍から観れば思想に対してドライなのだと思う。
②「宗教」について:人類史上最悪の発明は何か?いろいろな答えがあるだろうが私は宗教と即答する。日常的に金を奪い、ときには命まで奪うシステムがのうのうと構築されている。こんな悪質なシステムはない。宗教嫌いの感覚を中学生の頃に初めて抱いてから消えたことがない。
* 筆者の感想(コメントのコメント)
上記コメントは日本国民の多くが抱いているものです。思想や宗教に対する尊敬心を持っている人なんて少数派。易者52は司馬遼太郎さんの問いかけに対する異論として書いていますから、松嶋修習生は司馬さんと同じことを言っているわけです。立派なことです。私はひねくれている部分があり、世の中の多数的意見に対して少数派に立ちたい気分になることが多々あります。私は意図的に司馬遼太郎さんに代表される多くの日本人的感覚と逆のスタンスで易者52を書いています。