今後何をすれば良いか?
副島隆彦「なぜ女と経営者は占いが好きか」(幻冬舎新書)の記述。
学生時代(若い頃)にいわゆる勉強秀才だった人間たちは占い・呪いをバカにしている。非科学的だ、迷信だ、愚かな人間のすることだ、と見下している。しかし、そうではないのだ。自分の未来を見つめる目、これから先のことを考えたいなら、少しで良いから占いをやってみるべきだ。若い頃から試験勉強ばっかりやった人間たちは現実の組織・会社の中でいちばん使いものにならない人間たちだ。(略)女たちは未来を見ている。これから先のことにしか興味・関心がない。これから自分に起きるであろう、あれこれの幸運(吉)不運(凶)のことを予測して、そして準備を怠りなくしようと考える。女は過ぎ去った過去のことなどさっぱりと忘れる。昔の嫌なことをすべて捨て去って消してしまう。女は過去を引きずらない。全て消し去って前向きに明るい未来に向かってどんどん生きようとする。それに比べて総じて男は過去を引きずる。昔の自分の業種や過去の出来事や人間関係をずーっと引きずったまま体面ばかりを気にして生きている。だから男は歳をとるごとにどんどん重苦しくなってゆく。
相談者は、過去の出来事に対する弁護士の法的解釈を聞きながら、これから自分に起きるであろうあれこれの幸運(吉)や不運(凶)のことを予測しています。修習生時代に要件事実の秀才だった弁護士は未来志向の託宣(占い・呪い)をバカにするかもしれません。非科学的だ・迷信だ・愚かな人間のすることだ、と見下すかもしれません。しかし相談者が知りたがっているのは「今後何をすれば良いか?」です。過去の出来事はその戦略を練る思考材料に過ぎません。過去の事実から学べないのは愚かなことですが、未来の予測を軽視するのも愚かなことです。未来予測には不安・恐れ・祈りといった不合理な要素が必ず随伴します。弁護士はこれらの不合理な要素も十分に意識すべきです。