5者のコラム 「役者」Vol.142
人生を使い切ったという安堵
樹木希林さんの言葉。<人生を使い切った名優>の言葉は心に浸みます。
1 靴下でも、シャツでも、最後は掃除道具として使い切る。人間も十分に生きて「自分を使い切った」と思えることが人間冥利に尽きることだと思う。
2 「がんは有り難い病気」。周囲の相手が自分と真剣に向き合ってくれますから。「ひょっとしたら、この人は来年はいないかもしれない」と思ったら、その人との時間は大事になるでしょう? そういう意味で、がんは面白いのよ。
3 「病を悪・健康を善」とするだけなら、こんなつまらない人生はないわよ。
4 あのね、歳をとるっていうのは本当におもしろいもの。歳をとるっていうのは絶対におもしろい現象がいっぱいあるのよ。だから「若いときには当たり前に出来ていたものが出来なくなること」ひとつずつをおもしろがってほしいのよ。
5 どれだけ人間が生まれて、合わない環境であっても「そこで出会うものが全て必然なんだと思って受け取り方を変えていく」。そうすると成熟していくような気がするのよね。
6 今日用事があることを「今日用(きょうよう)」と言っているんだけど、神さまがお与えくださった「今日用」に向き合うことが毎日の幸せなの。「今日用」をこなすことが「人生を使い切った」という安堵につながるんじゃない?