無責任な他人の言動を気にしない
マザー・テレサは次の言葉を残しています。
人は不合理・非論理・利己的です。気にすることなく人を愛しなさい。あなたが善を行なうと利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう。気にすることなく善を行ないなさい。目的を達しようとするとき邪魔立てする人に出会うでしょう。気にすることなくやり遂げなさい。善い行ないをしてもおそらく次の日には忘れられるでしょう。気にすることなく、し続けなさい。あなたの正直さと誠実さとがあなたを傷つけるでしょう。気にすることなく正直で誠実であり続けなさい。あなたが作り上げたものが壊されるでしょう。気にすることなく作り続けなさい。助けた相手から恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。気にすることなく助け続けなさい。あなたの中の最良のものを世に与えなさい。けり返されるかもしれません。でも気にすることなく最良のものを与え続けなさい。
弁護士の仕事を続けるためには「鈍感」であることが求められると感じます。私たちが「善」を行おうとするとき「目的」を達成しようとするとき「良い行い」をしようとするとき「正直さと誠実さ」を表現しようとするとき「作り上げよう」とするとき「助けよう」とするとき「最良のもの」を世の中に与えようとするとき、それらを邪魔する障害物が立ちはだかるからです。善い仕事をするためには、そういった障害物を何とも思わない(良い意味での)「鈍感さ」が不可欠です。弁護士が主張する「善」「良い行い」「正直さと誠実さ」の表現は業務遂行上の手段という側面があります。これを<偽善>と称する人もいます。しかし依頼者を助けようとする仕事は自分の中の「最良のもの」を法律的空間に与える行為です。私たちは無責任な他人の言動を気にすることなく(鈍感に)自分の考える<正義>を主張し単純明快に実現していけば良いのです。