5者のコラム 「役者」Vol.83

映像表現の特徴6点

 新井一氏は「シナリオの基礎技術」(ダヴィッド社)において演劇と比較した「映像表現の特徴」をつぎのとおり明瞭に指摘しておられます。
1 時間と空間の飛躍(演劇との差異が一番大きいところ。次から次に場面を変えることが出来る。時間と場所を観客に自由に見せることが出来る。)
2 視覚を武器に(映像芸術には一部分だけを見せる手法がある。そこだけを写すことで何かを作為的に観客に伝えることが出来る。俳優の顔に現れた小さい感情の動きも見逃すことはない。)
3 枠を持つ(映画は否応なしに観なくてはならない強制力があるので作者の意図を十分に伝えることが出来る。重要な対象だけを編集することにより意図的な演出をすることも出来る。)
4 モンタージュの表現(2つ以上のものを繋いで別のものを表現するというフィルム編集の手法。エイゼンシュタインなどソヴィエトの監督が理論化した。)
5 ドキュメント性(写真や映像という嘘のつけないもの(と素人が信じているもの)を全面に出すことで「真実性」を観客の胸に刻み込むことが出来る。)
6 ナレーションやタイトルの駆使(映画やテレビでは複雑な状況や心理をナレーションやタイトルを挿入することによって説得力を高めることが出来る。)
 「舞台」に立つ弁護士も(演劇と比較したところの)映像表現の特徴を意識する必要が大いにあります。今後は映像化が進むであろう訴訟における効果的な「演出」方法を見出せるかもしれません。

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