5者のコラム 「芸者」Vol.140

明るさの中の暗さ・暗さの中の明るさ

 FB友伊崎祐介さんの記述。

あるライヴの最後に会場の皆さんも一緒に歌おうということなり「上を向いて歩こう」を演奏することになったのですが、その時「あるコード」にハッとさせられたのです。それはサビの部分でした。キーはG・C・G・G7(幸せは雲の上に)Cm・G・A7・ D7(幸せは空の上に)。2回目の「幸せは」の「Cm」このコード響きで曲の雰囲気ががらり切なくなるのです。暗すぎず哀愁のある響き。中村八大さんの偉大さを感じた瞬間でした。メイジャー(長調)のコードの明るさの中に突然現れる哀しみのマイナー(短調)コード。この明暗の対比が見事。それは日本人だけでなく世界の人々の琴線にもふれる響きでした。全米No.1になったのも頷けます。ちなみにGのキーにおけるCコードは「サブドミナント(下属和音=4度)」と呼ばれます。「Cm」この4度のマイナーなので「サブドミナント・マイナー」となります。50~60年代ポップスにこの「サブドミナント・マイナー」がよく使われています。「サブドミナント・マイナー」コードは世界の人の琴線にふれ世界を変える響きなんですね。

 「上を向いて歩こう」は歌詞でも「明るい題名の中に暗い内容」を潜ませていますがメロディーにおいても「明るさ(メイジャーコード)の中に暗さ(マイナーコード)を忍ばせている」。凄すぎます。この曲が世界の人々の心の琴線にふれる名曲だと称えられたのも頷けます。上述の指摘は弁護士業務の中でも取り入れるべき規範だと私は思っています。弁護士の仕事は基本的に悲しみ(マイナーコード)で進行します。が、私はその中でも密かに明るさ(メイジャーコード)を忍ばせたいと思っています。「悲しみの中においても、笑いを共有することによって人間は心から深い悲しみを分かち合えるのではないか?」そう感じているのです。

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