5者のコラム 「易者」Vol.136

先人の知恵が伝承された統計学

 久留米の商業設計の第1人者岩橋弘幸先生がFB上でこう述べておられます。

私は設計士ですが建築の「家相」や「風水」に関わらずにはいられません。苦労して作成したプランも建築主の家相信仰により一蹴されます。それが糸口になり「家相」「風水」など多くの書籍を読みあさり勉強しました。「家相」は一概に迷信とは言えず、先人の多くの経験の知恵が伝承された統計学と云ってもおかしくありません。家相では鬼門に玄関を設置するのは「大凶」とされます。古代中国では東北(鬼門)からの蒙古民族の攻撃に悩まされました。その東北方向に進入路(玄関)を配置するのは好ましくありません。屋敷の傍に「大木」を植樹されるのも家相では「大凶」とします。建築工学的にも樹木の根が成長して屋敷の基礎を持ち上げ屋敷が狂ってしまう為です。自信をもって言います。家相・風水はよく当たります。家相と現代科学は見事に一致します。しかし「家相」を妄信する必要はありません。技術で解決できるからです。現代では玄関を「鬼門(東北)」に配置しても問題ありません。ただ気になりますよね。そしたら玄関に「ナンテン」を植えることを勧めます。「難」を「転じる」と云います。家相は中国三千年の歴史の中で経験などにより統計学的に発生しました。この家相と現代の建築計画論は不思議と一致します。

 このコラムは「易者的な知」を繰り返し引用してきました。岩橋先生の記述のとおり、易者的な知は先人の多くの知恵が伝承された統計学と表現してもおかしくありません。経験にもとづく易者的な知を「迷信」で片付けるのはもったいないこと。もちろん知恵が伝承された統計学でも時代や状況が変われば修正することが必要ですし、それは技術的に可能です。そのためには現代的な技術に習熟する必要があります。現代に生きる弁護士は「経験にもとづく知恵」の意義と問題点を冷静に評価し「上手に仕事に取り入れていくこと」が肝要だと思います。