5者のコラム 「学者」Vol.13

クレーマーへの対処

 諏訪哲二「学校のモンスター」(中公新書ラクレ)がモンスターの行動を紹介しています。
 ・大学進学に必要のない科目の授業は受けなくて済むよう求める。
 ・暴力団とのつながりをほのめかして、要求を通そうとする。
 ・教師を中傷するメールを学校関係者らに送りつける。
 諏訪氏はモンスターの特徴を以下のように指摘しています。

「モンスター親」は自分の要求を偏っているとか、変だとは思っていない。かえって親として当然のことをしていると思っている。そのとき「親は子(の幸せ)のために何をしてもいい(何でもするべきだ)」という親子の情愛の物語と、ひとは自分の利益を主張するのは当然であるという確信(常識)が働いているのであろう。

法律相談の場にも近時かかる特徴のクレーマーが増加しつつあります。「権利」意識を履き違えて自分に有利なことは何でも主張できると思いこんでいる人・「平等」意識を履き違えて何でも一緒でないのはおかしいと問題にする人・「自由」意識を履き違えて相手の迷惑を全く考えていない人。そんな人たちが鼻息を荒くして法律相談にやってくるのです。<近代的個人とは「こう思っている」けれど「他人は違うふうに考えているであろうか」と思える人である。それに対し「私」に到達していない人は他人のことを「こう思っている」から「こうである」と思いこんでいる人である。「この私」の上にある「私」をさらに上から保証する「普遍的なもの」を立てる力が弱い人は「この私」の位置にいることが多いのではないかという気がする。」>弁護士は法規範を「普遍的なもの」とし自己の倫理観を「私」として相談者「この私」に対峙します。弁護士は早い段階で相談者のクレーマー性を見抜き、法律家の言質を与えないように注意しなければなりません。

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