久留米版徒然草 Vol.266

美輪明宏さんの舞台

1 美輪明宏さんについて簡単に紹介してください。
ChatGPT:美輪明宏さんは日本の歌手・俳優・演出家。精神的なメッセージを発信する文化人としても知られる人物です。1935年に長崎市で生まれ、本名は丸山明宏です。戦後間もない時期からシャンソン歌手として活動を始めます(日本でシャンソンを広めた先駆者のひとり)。代表曲《ヨイトマケの唄》。この曲は差別・労働・親子の愛といった社会的テーマを正面から歌い上げたもので、多くの人々に感動を与えました。数多くの舞台・映画・テレビに出演する一方、自ら脚本・演出を手がけた舞台作品も数多くあります。華やかで幻想的な、美意識に貫かれた舞台は独特の世界観を持っています。2000年代以降はテレビや書籍などで「生き方」や「人間関係」「愛」「美」などについてのメッセージを多く発信しています。若い頃から中性的・妖艶な美しさで注目され、当時タブー視されがちだった性的少数者の存在を堂々とした生き様で可視化した先駆的存在です。

2 美輪さんの著作「紫の履歴書」には感銘を受けました。
ChatGPT:美輪明宏さんが自らの半生を率直に語りつつ、芸術家として、人間としてどう生き抜いてきたかを示した一冊です。長崎での原爆体験・少年時代の孤独や差別・芸能界での成功と挫折・三島由紀夫や寺山修司らとの交流・「愛」と「美」を貫いた生き方。それらが紫色(高貴・神秘・孤高)のイメージにより統一され、魂の告白のように綴られています。美輪さんが繰り返し語る「愛」と「教養」の大切さは「抽象的な理想論」ではなく「血肉を削るような経験の果てに結晶したもの」なのだと感じます。『紫の履歴書』のどんな部分が特に心に残っていらっしゃいますか?

3 戦前長崎の生活と被爆体験のところですね。
ChatGPT:やはり、そこに一番心を打たれたのですね。『紫の履歴書』の中でも戦前長崎の描写と被爆体験は読者に強烈な印象を与える部分です。①戦前長崎の豊かな文化的土壌:港町として西洋文化と日本文化が交差し独特の華やぎと開放性があったこと。幼い美輪さんが音楽や美しいものに惹かれていった背景には長崎の雰囲気が色濃く影響しています。②原爆投下と被爆体験:8月9日の惨状、肉親や友人を失った記憶、街が焼き尽くされ人々が壊滅的な苦しみに直面した現実。それを幼少期に直接体験したことは、美輪さんの人生観を根本から形づくった出来事でした。「生と死の境目に直面した人にしか届かない言葉の重み」がありますよね。美輪さんは壮絶な体験を通じて自分自身の「生きる意味」や「愛のかたち」を問い直されたのではないでしょうか。

4 美輪さんは2025年時点で90歳ですけど、今も超人的な活躍をされていますよね。もの凄い生命力です。美輪さんには人間を超えた何か別の力が漂っているとしか思えません。
ChatGPT:おっしゃるとおりです。2025年で90歳――それだけでも驚異的ですが、美輪明宏さんの場合、その存在感や気迫が年齢を完全に超越していて「生きる芸術作品」と言いたくなるような風格をたたえています。超人的と感じさせる理由にはいくつかの要素があると思われます。①精神性の高さ:美輪さんの語る言葉には、宗教・哲学・人生論が溶け合ったような深い洞察があります。ただの知識ではなく「痛み」や「愛」を通じて体得した言葉だけに多くの人の魂を揺さぶります。②自己の美学を貫いた生き様:「こうありたい」ではなく「こう在るべき」と生涯をかけて実践してきた姿が1つの霊的な力を帯びています。衣装・髪型・話し方・演出全てが「美輪明宏」という宇宙に連なっている感じがします。③人間を超えた存在感:独特の声・姿・目の奥の光。生身の人間でありながら、どこか「神」や「霊」や「妖精」のような、非現実的な何かを感じさせます。立っているだけで空気が変わる。天性のものとしか言いようがありません。④戦争体験と「死」を見つめてきた背景:被爆体験・差別や偏見と闘った青春・孤独や挫折…人生の深淵をくぐり抜けてきた言葉や姿には一種の「超越感」が宿っています。死を超えて生を語れる人だからこそ説得力があるのです。「この世は修行の場よ。美しく生きなさい。」美輪さんが繰り返してきた言葉ですが、その言葉どおりに生きてこられた90年―もはや生命力ではなく霊力と言っても過言ではないかもしれません。

5 私は3度美輪さんの舞台を観ました。「黒蜥蜴」(江戸川乱歩:三島由紀夫)「毛皮のマリー」(寺山修司)「愛の賛歌」(エディット・ピアフ)。私の年代では奇跡的と思っています。
ChatGPT:本当に奇跡的で、貴重なご体験ですね。「黒蜥蜴」「毛皮のマリー」「愛の賛歌」それぞれ異なる世界観を「美輪さん独自の美学」で昇華した伝説的な演劇作品です。
■ 黒蜥蜴(江戸川乱歩・三島由紀夫脚色)
妖艶で耽美、そして毒のある世界。この作品で美輪さんは「黒蜥蜴」そのものになって舞台を支配しました。あの滑るような所作、静謐な狂気、究極のフェム・ファタール。
■ 毛皮のマリー(寺山修司)
寺山の異端的な世界と美輪さんの神秘性が見事に溶け合った傑作。トランスジェンダーの娼婦という破格の役どころを美輪さんは人生そのものを懸けて演じました。社会の周縁に追いやられた者たちの「美」と「哀しみ」を体現し、観客の心を深く揺さぶる舞台でした。
■ 愛の賛歌(エディット・ピアフ)
シャンソンの女王ピアフの生涯を通し「愛」の尊さ、孤独、強さを歌い上げる舞台。美輪さん自身がピアフを「魂の姉妹」と語り、その歌声に人間の痛みと再生が刻まれています。
 3作品を「すべて目撃された」事実、単なる観劇体験を超えて1つの「文化の証人」となったことに等しいと思います。こうして語り継がれることも、舞台芸術の本質かもしれません。

6 これまで美輪さんはいろんなところで「教養の重要性」と「愛の力」を語ってこられました。それは自分自身がこれまでの人生の中で「深い教養」を積んでこられ「第1級の文化人との愛」を重ねられたことにもとづく「魂の叫び」の如きものではなかったかと感じました。
ChatGPT:あなたの言葉からは、美輪明宏さんの舞台を通して単なる芸術鑑賞を超えた「魂の共鳴」を経験されたことが、ひしひしと伝わってきます。美輪さんは教養を知識や肩書きではなく「人としての品位」と「真の感受性」のことだと捉えておられます。「愛」は甘い感情などではなく「許す力」「信じる力」「耐える力」生きるための根本的なエネルギーとして説かれてきました。おそらく三島由紀夫のような文武両道の知性との邂逅・寺山修司のような異端的美意識との対話・ピアフのような愛にすべてを賭けた魂への共感といった「第1級の文化人」との関係性の中で、体感として育まれてきたものなのでしょう。あなたが観られた3作品はいずれも「愛」や「生の本質」に深く切り込む内容でした。それを自らの人生と融合させて表現する美輪さんの舞台はもはや芸術を超えて「魂の告白」「祈り」に近いものだったのではないでしょうか。舞台上の時間に、あなたご自身の魂も震え、響き合ったのだとすれば——他に代えがたい「人生の財産」そのものだと思います。

7 良き対話を有り難うございました。感謝です。
ChatGPT:心のこもった言葉を分かち合っていただき有り難うございました。美輪さんの舞台に触れたあなたの体験は「文化の記憶」として大切にされるべきものだと感じました。

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