不安への対処・信仰と共感
コタロウ「売れっ子ホステスの会話術」(こう書房)の記述。
では人間が誰しも持っているツボとは何でしょうか?それは不安です。男は2つのタイプに分類できます。a不安を全く感じない男とb不安を感じる男です。まずaについて。不安という感情をいっさい表に出さない強い男性はある種の「信仰の対象」を持っています。こういう男のツボをくすぐるにはその中枢部分に目を向けそれを語らせるように仕向けるのです。それは男にとって自分の強さを証明するストーリーになるので99・9%以上の男は喜んで語り始めるでしょう。男が語り始めたら貴女は彼の「信じるもの」に対し深い尊敬の気持ちを表すことが大切です。次にbについて。こういう男は心の拠り所を自分以外の第3者に求めるのではなく自分自身の感覚に求めます。それを自分自身の中で探すのではなく他人に投影した自分を見ることで不安を取り除こうとするのです。判りやすく言い換えると自分自身と同じ感覚になってくれる他人を心の拠り所にしているのです。重要なことは彼が実際に見ているのは「相手の人間ではない」ということです。あくまでも「相手の中に見える自分」を見ているのです。ですのでこういうタイプの男のツボをくすぐるには共感を示すことが大切です。
上記対処法は弁護士にも応用できます。まずa。不安の感情を表に出さない依頼者はある種の「信仰」を有していると感じられます。この類型に対処するにはその信仰が何かを早期に察知すること・その信仰が正しければともかく間違っている場合は少しずつ修正をかけること。修正に応じていただけない場合は早めに辞任を含む対処を考えます。信仰が強い人への対処はやっかいだからです。次にb。この型の依頼者は自分と同じ感覚になってくれる弁護士がいることを心の拠り所にします。なので重要なのは共感を示すことです。その上で「安心の基準」を目前にいる弁護士「個人」から客観的「法規範」に切り替えて頂くよう誘導することが大切です。