久留米版徒然草 Vol.188

宗教の習合現象

2024年の冬至は12月21日。北半球では太陽の力が最も弱くなり以後は再び強くなる。古代ヨーロッパにおいて「ユール」なる冬至祭が12日間行われていた(太陽の「死と復活」の祭)。キリストの誕生日は定かでない(福音書に記述なし)。「12月24日日没から25日日没まで」と定められたのはコンスタンティヌス帝統治下である(4世紀半:当時は日没が1日の区切り)。太陽の復活とキリストの誕生を結びつけた風習。北欧では今もクリスマスを「ユール」と呼ぶ国がある。キリスト教が普及していく過程で両者が結びついていったのでしょうね。中東(現イスラエル領域)の出来事と雪が降るヨーロッパの冬至祭は全く別のものです。一般的に宗教が交じり合う現象を「習合」といいますが(日本では「神仏習合」が代表的)大陸仏教でも習合は生じています(特にインド民俗信仰や中国道教との習合)。習合は宗教が拡散する段階で起こる現象です。純粋性を求める宗教(特に一神教)が先鋭に対立すると戦争を生じますから習合は「平和的交流の象徴」ですね。

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