久留米版徒然草 Vol.45

大正3年の出来事

久留米大学公開講座「軍都久留米とドイツ兵俘虜収容所(1914-1920)の試み・戦争捕虜への人道的配慮の可能性」第1回目を拝聴した。御井学舎図書館にて。法学部の上村教授による「なぜ久留米にドイツ兵俘虜がいたのか・第1次大戦と日独戦争」。このテーマに関しては自分も少し書きモノをしたことがあるが背景事情は判っていなかったので勉強になった。
 上村教授の話を聞いていて心に響いたのは(実は戦争のことではなく)大正3年(1914年)に起きた出来事の多彩さである。現代に繋がる事象が多数だ(講談社「日録20世紀」をふまえて補筆します)。1月に政治はシーメンス事件で揺れた。3月に帝国劇場で芸術座の「復活」が上演、主演の松井須磨子が評判に(上演回数440回・「カチューシャの歌」が大ヒット)。3月から7月まで上野公園で史上空前の東京大博覧会が開催された(入場者750万人)。4月に宝塚少女歌劇の初演が行われた。4月20日から8月11日まで漱石は「こころ」を朝日新聞で110回にわたり連載した。8月ドイツに宣戦布告し11月に終結。10月に三越新館が開設。12月に東京駅が完成。開業式は18日、神尾中将(青島攻囲軍司令官)凱旋の日に行われた。

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