久留米版徒然草 Vol.186
「源氏物語」と「源氏の物語」
1年間楽しませてもらった「光る君へ」が終了。素晴らしかった。正妻倫子とまひろの対決。倫子が正妻としての矜持を示しつつ、まひろは要の秘密を守り通した(直後に賢子が登場)。道長の最期とまひろのお伽噺。子どもに言い聞かせるような優しい語り口が見事であった(道長は病気により目が見えない)。菩薩の如き、まひろに抱かれながら道長は安心して逝けただろう。
1000年読み継がれている名著「源氏物語」作者の物語は「源氏の物語」の最初(東国中心「武士の世」への移行)を予感させて終わった(「嵐が来るわ」)。脚本家と製作陣はこのラストを最初から設定していたようだ。その直前に「刀伊の入寇:要たる大宰府」を描く緻密な構成。紫式部は何故に臣下「源氏」の物語としたのか?謎でしたが大石静さんのおかげで腑に落ちました。感謝。