2006年12月17日 / 最終更新日 : 2023年11月7日 webmaster 役者 花のある役者の存在意義 永六輔「役者その世界」(岩波現代文庫)は瀬戸内晴海の次の言葉を引用します。 本当の役者というのはねェせりふ廻しがうまいとか所作がいいというものじゃないんだよ。舞台にその役者が立つと、ぱっと舞台の灯がきらめきを増す。そして […]
2006年12月16日 / 最終更新日 : 2023年11月7日 webmaster 易者 尊敬性と被差別性 清少納言は「枕草子」で「見苦しきもの」として「法師陰陽師の紙冠りして祓したる」をあげます。「法師陰陽師」とは何でしょうか。繁田信一「陰陽師」(中公新書)によれば陰陽師には官人陰陽師(国家機関)と法師陰陽師(私度僧)があり […]
2006年12月9日 / 最終更新日 : 2023年11月7日 webmaster 医者 社会生活への適応不安 尊敬する精神科医・富田伸先生(久留米市大善寺町)は著書「精神科医というビョーキ」(西日本新聞社)の中で以下のように述べておられます。(46頁) 少なからずの精神科医は自らの抱えている精神的問題(あえてそれをビョーキと呼ぼ […]
2006年11月25日 / 最終更新日 : 2022年12月20日 webmaster 芸者 欲望実現のルール 江戸時代の遊郭は単なる性欲発散の場所ではありません。遊郭には厳格なルールがあり遊びを行うためには、それなりの文化的素養と出費を必要としました(中野栄三「遊女の生活」雄山閣)。遊郭とは高度な知的エンターテイメントの場であり […]
2006年11月24日 / 最終更新日 : 2023年11月7日 webmaster 学者 良き師匠と美しき誤解 初めて独学で法律の勉強を始めた頃、私は法律学において人の名前の付いた「説」というものが存在することの意味が判りませんでした。司法試験受験生の中には「佐藤幸治先生は凄い」 「大塚先生は最高だ」 「やはり鈴木先生でいく」と熱 […]
2006年11月23日 / 最終更新日 : 2023年5月28日 webmaster 医者 客観証拠に裏付けられた主観的世界構成 万葉の歌人である山上憶良は74歳で死の床につき「もし聖医神薬に逢ったら体を切り開いて百病を探し膏肓という奥深いところまで訪ねていって病気が逃げ隠れしている様子をはっきりさせたい」と述べたと言われます。山上憶良は「病気の原 […]
2006年11月22日 / 最終更新日 : 2023年2月7日 webmaster 役者 孤独な作業が共同作業の中に組み込まれている 小説は書いた文字そのものが完成した作品です。しかしながら演劇や映画などにおける(文字が並んだだけの)「脚本」は完成品では全くありません。監督の指揮の下、脚本をもとにして役者がセリフを喋り、カメラマンが撮影し、照明・音声・ […]
2006年11月21日 / 最終更新日 : 2023年11月7日 webmaster 易者 占いと法律相談 鈴木淳史「占いの力」(洋泉社新書)は占いの本質として次の点をあげています。 ① 占いは行き詰まった人間へのアドバイス機能がある。 ② 占いは不安な状況に対して自信をつけさせる。 ③ 占いは自分がどういう […]
2006年10月24日 / 最終更新日 : 2022年12月20日 webmaster 易者 呪術性という名の不合理性と向き合う 合理性の観点では説明のつかないものこそ易者の支えです。易者は暗闇の中に潜む呪術性を基礎とします。呪術は説明を嫌います。意味不明な言葉を繰り返すこと、あやしげな雰囲気に誘い込むこと、偶然を必然と思わせること・必然を偶然と思 […]
2006年10月18日 / 最終更新日 : 2022年12月20日 webmaster 医者 生理学・病理学・治療学 クロード・ベルナールは医学の各部門を「生理学」「病理学」「治療学」と分類し、これを実験によって研究する方法論を確立しました(「実験医学序説」岩波文庫)。この本が出版されたのは1865年、日本は未だ江戸時代です。クロード・ […]
2006年10月13日 / 最終更新日 : 2022年12月20日 webmaster 役者 シテとしての依頼者・ワキとしての弁護士 能のシテは面を着けて舞いをする舞台の主役です。これに対してワキは面も着けず地味な装束でシテの話を聞き出すだけの地味な存在です。ワキは多くの場合に「旅の僧」とされています。能の物語は多くの場合ワキがシテの話を聞き出すところ […]
2006年10月8日 / 最終更新日 : 2023年11月7日 webmaster 芸者 あるときは正義の味方・あるときは悪魔の手先 江戸時代の遊郭として江戸の吉原・京都の島原が著名です。同じくらいの重要性を有していたのが長崎の丸山です。丸山は寛永19年(1642年)に市内に散在した遊郭を1カ所に集めたことから始まります。井原西鶴は「長崎に丸山という所 […]